おおよそ40mmのボトムアップは、日本の交通事情にもとても優しい。
新型Cクラスのセダン、ステーションワゴンが日本上陸を果たしたのは、2021年6月。Cクラス オールテレインはもちろん、その新型をベースとしている。そこでまずは、ディメンションを中心にその違いをチェックしてこう。参考として都会派SUVのGLCのデータも比較してみよう。
ステーションワゴン(欧州ではエステートと呼ばれる)と比べると、オールテレインはわずかに全長が広げられている。全高のプラス39mmは、最低地上高を引き上げたことによる。もっとも、バンパーやアンダーライドガード、ホイールアーチライニングといった専用アイテムのおかげで、見た目のボリューム感の違いは数値以上に大きそうだ。
タイヤ/ホイールは17、18、19インチからチョイスできるが、たとえば17インチホイールの場合、高さのゆとりを生かしてワゴン比で20mmほど幅広いタイヤを履いている。20mm拡大された全径とあいまって、おおらかさと重厚感を高めてくれる。
1800mmを超える全幅はそれなりに気を遣うものの、GLCの1890mmに比べればかなり気がラクだろう。約40mmの最低地上高アップと1494mmに収められた全高アップは、日本の駐車場事情でもストレスが少ない。GLCでは門前払いを食らいそうな立体駐車場や、ワゴンではアプローチの角度がきつくてフロントバンパーの先っちょを擦ってしまいそうな高層駐車場などでも、気楽に停めることができそうだ。
4マティックとコンフォートサスペンションで、ロングツーリングも安心・快適
「気軽」で「ストレス少なめ」という意味では、ワゴンに現状設定されない4マティック(4WD)が標準装備となることも重要なポイントだ。凍結路面や雪道はもちろん、豪雨の時などもスマートな4輪駆動による絶妙なサポートは心強い。
オールテレインの4マティックは、路面状況や地形などの「タフさ」に合わせてふたつのオフロード用ドライブモードを選ぶことができる。駆動制御やESPの制御とともに、エンジン、トランスミッションなどの特性も最適化されるシステムだ。
ほとんどのドライバーは未舗装路、砂利、砂などの比較的おとなしいラフロードに対応した「OFFROAD」で十分満足できるハズ。だが、さらにタフな道路に挑戦するなら、急な下り坂で車速を一定に保ってくれるダウンヒルスピードレギュレーション(DSR)機構がアクティブとなる「OFFROAD+(プラス)」を選択すればいい。
大きめのステアリングナックルを備えたフロントサスペンションなど、足まわりもある程度、本格的なオフロード走行に対応するべく強化されている。一方で、可変ダンピング機構を備えたコンフォートサスペンションが、日常のドライブでの快適性を巧みにサポートしてくれる。乗り心地が良くなるだけでなく、走行安定性も向上するという。