プレミアム感漂う雰囲気のエクステリア
マイナーチェンジが施された新型アウディQ2。その大きなトピックは、フェイスリフトが行われたこと、そして日本に導入されるモデルが絞り込まれてパワーユニットが変更されたこと、といえるだろう。
2021年の月に導入が発表されたというのに、実はお目にかかるのは初めて。写真で見ただけの時には、正直に白状すれば「地味めなフェイスリフトだな」と感じていたところもあった。が、実車を前にすると、従来のモデルからだいぶ印象が変わってるように感じられる。
シングルフレームグリルをわずかに大型化して存在感を強め、ある年齢層以上の世代にはちょっとした説得力になりそうな、スポーツクワトロを思わせる3分割のスリットをボンネット先端に設けたこと、さらにはフロントのヘッドランプ下とリアバンパーに5角形をモチーフとした立体的なアクセントを加えたことなどで、全体的にシャープさを増しているのだ。
Q2のスタイリングには、最初に見た時からアウディにしては面の構成が多彩なエッジの効いてるデザインだと感じていたが、それにはこの新しいディテールの方が似合っているかも知れない、とすら思えた。
それでも決して悪目立ちしないところがアウディらしいところで、試乗車がまとっていた新色のアップルグリーンメタリックは、写真で見るより遙かに深みがあってインプレッシブなカラーだというのに、どこかしっとりと大人っぽい。
SUVのラインナップの中にあってはもっとも小さく、エントリーモデルといえる存在でもあるが、変に若者に媚びたようなところがどこにも見当たらないことにも、好感が持てる。
逆にエントリーモデルであることをわずかながらも匂わせてしまっているのが、インテリアだ。全体的にはプレミアムコンパクトSUVというに相応しい雰囲気を漂わせているとは思うが、内装の一部のプラスティック製パーツがプレミアム感を少々スポイルしている感がある。
そこをもっと上質なマテリアルに変えると値段に響くだろうことは想像に難くないし、気にならない人には全く気にならない範疇のお話かも知れないが、394万円スタートのクルマである。ちょっともったいない。
またバーチャルコクピットなどを含む「ナビゲーションパッケージ」が29万円、アダプティブクルーズアシストやサイドアシストなどを含む「コンビニエンス&アシスタンスパッケージ」が21万円と、多くの人が欲しいと感じるエクイップメントがオプションであることを考えると、価格が購入者を絞ってしまうところのあるクルマなのかもしれない、とも感じた。