プレミアムコンパクトSUVという新たなジャンルを確立し、 SUV市場に新風を吹き込んだアウディQ2。4年ぶりの大幅刷新で変わったところとは?(Motor Magazine 2021年11月号より)

1.5L直4+7速DCTに1本化されたパワートレーン

ただし、乗り味は素晴らしい。マイナーチェンジを機に、日本に導入されるモデルは1.5LのFFに一本化された。同じ「35TFSI」を名乗りながらも、そのパワーユニットは1.4L 直列4気筒ターボから1.5Lの直列4気筒ターボに変更された。

エンジンの型式が「DPC」で、最高出力が150ps/5000-6000rpm、最大トルクが250Nm/1500-3500rpmだから、おそらく同じく新型のゴルフ8に搭載されているものと基本は同じと見ていいだろう。

そしてゴルフ8と違ってこちらはマイルドハイブリッドのアシストを持たないわけだが、それでもまったく不満の感じられない走りを提供してくれたことに、実は軽く驚いた。

もちろんスポーツエンジンではないから途方もなく速いなんてことはないけれど、街中では発進直後から常に必要なだけのトルクを沸き立たせてくれて、力不足も緩慢さも感じさせない加速を見せてくれる。

さらに、高速道路の本線への合流などで回転を上まで引っ張ってみると、メカニカルなサウンドを控えめに聴かせながら滑らかに吹けていき、速度も気持ちよく伸びていく。ゆったり巡航してる時に少しだけアクセルペダルを踏み込めば、必要な分の加速をしっかり上乗せできる。華を感じさせるところがあるわけじゃないけれど、この直4ターボはなかなか優秀なエンジンなのだ。

この1.5L 直4ターボエンジンと熟成が進んだシャシとの組み合わせで走るワインディングロードも、望外に気持ちいいものだった。

画像: 搭載するエンジンは1.5L 直4ターボに統一された。これに7速Sトロニックが組み合わされる。力不足は感じさせない。

搭載するエンジンは1.5L 直4ターボに統一された。これに7速Sトロニックが組み合わされる。力不足は感じさせない。

トラベル長の豊かなサスペンションはそれなりの締まりを感じさせながらもたっぷりと伸び縮みし、荷重をコントロールするのが容易だ。ノーズの動きに重さを感じさせることなく、スッと頭からコーナーに入っていく印象。そこから先はしっかりとした粘り腰を見せながら、思いのほか鋭くコーナーをクリアして、そこそこに力強く立ちあがっていく。

その振る舞いは、とても最低地上高が210mmもあるクルマとは思えないほど、とてもスポーティなもの。運転していて楽しさすら感じさせてくれるのは、アウディならではの哲学が生きてる証であろう。

この新型Q2は、安価なクルマだと言う気はないけれど、それだけのバリューはある。とかく日常生活へのマッチングのよさと扱いやすさばかりクローズアップされがちなコンパクトSUVのカテゴリーに、あなたがしっかりした彩りを求めたいのであれば、アウディ Q2は十分検討に値するモデルだと僕は思う。(文:嶋田智之/写真:永元秀和)

アウディQ2 35TFSI アドバンスド 主要諸元

●全長×全幅×全高:4200×1795×1530mm
●ホイールベース:2595mm
●車両重量:1340kg
●エンジン:直4DOHCターボ
●総排気量:1497cc
●最高出力:110kW(150ps)/5000-6000rpm
●最大トルク:250Nm/1500-3500rpm
●トランスミッション:7速DCT(Sトロニック)
●駆動方式:FF
●燃料・タンク容量:プレミアム・50L
●WLTCモード燃費:15.8km/L
●タイヤサイズ:215/55R17
●車両価格(税込):394万円

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