レーシングカーの外装を手掛ける板金屋から始まった、エアロ屋人生
ロードスターをはじめ、今ではフォルクスワーゲン ゴルフといった輸入車や軽自動車のエアロパーツなど幅広い車種のエアロパーツをプロデュースしているガレージベリー。代表を務める中根さんの原点は、レーシングカーの外装を手掛ける板金屋にある。
「レーシングカーのエアロを作っていた板金屋に就職したんだけど、毎日が修行でしたね。とにかく忙しかった。レーシングカーの場合、通常3月にシェイクダウンするので正月休みなしで仕事ばっかりしてた。マツダ 787Bのエアロにも関わっていたので、ル・マンに連れてってもらったのは嬉しかったけど(笑)。ここでは7年ほど働いていたんですが、そろそろ独立したいな~て思ってました」
「エアロ屋として独立した当時はシルビア、180SXの全盛期でした。しかし、これらの車種の自社製品はやらないようにと言われました。じゃあ、何のエアロを作りか?と悩んでいたいところ、たまたま従業員の3名がロードスターに乗っていたから、 とりあえずロードスターからやってみよ~ってことになりました。
当時、他社でロードスターのエアロをやっているところはなかったんだけれど、かといって儲かるかといったら、正直あんまり儲からなかった(笑)。そんなに売れるもんじゃないしね。ただ営業先では『あぁ、ロードスターをやってるところね』と認知してもらえた」
ガレージベリーの名が広く知れ渡るようになるのが、富士チャンピオンレースでエアロが解禁になってから。
「レースは好きだけど、こっちばかりやっていてもエアロって売れない。レースでタイムアップするエアロと、ドレスアップのエアロとではまったく違うからね。面白かったのは、NC(3代目)ロードスターのフロントにカナードを付けて、リアとのバランスを取ろうと思ったら、逆にリアの効きを強めてしまった。エアロはやり直しが多いんだよね(笑)。でもやっぱり、作ってて楽しいのはロードスターだね」
イベントやレースなど、イベントを通じてユーザーとつながっていることも、長く続いている一要因。愛着を持って乗られているクルマだから、作り手も思いを込めた製品作りを続けないと、生き残っていけない世界なのだ。