「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、フォード エクスプローラーだ。
フォード エクスプローラー（2011年：フルモデルチェンジ）
全長約5ｍ×全幅約2ｍというサイズは、かなり大きい。試乗車は上級のリミテッドだが、ベーシックなXLT（440万円）もラインナップ。
日本でもっとも人気の高いアメリカンSUV（編集部註：2011年当時）がフォード エクスプローラーだ。日本での販売開始は今秋（編集部註：2011年秋）だが、すでに予約受注は始まっている。早くも日本仕様に乗ることができたので、オンで、オフで、そのパフォーマンスを試してみた。
新型エクスプローラーは、外観は従来のイメージの延長上にあり、車名も踏襲するものの、フレームシャシを廃してモノコックボディとし、エンジンを横置きとしてトルクオンデマンド式のフルタイム4WDを採用するなど、中身は本当にガラリと変わった。
ボディはかなり大柄で、乗るとやはり、とくに2mもある横幅を実感させられる。しかし意外と小回りが効くしステアリングの応答遅れもなく、重々しさをあまり感じないので、走った感覚としては、あまり過度に大きさを意識させられることはない。実際、従来型より大きくなったにもかかわらず、フレームシャシの先代よりも車両重量がXLTグレード比で30kgも軽くなったのは、モノコック化の恩恵だ。
さらに、静粛性は高級車並みに高く、乗り心地も期待どおり快適だ。フットワークも素晴らしく、比較的ハイペースなワインディングロードでも、4輪がしなやかに路面を捉えるおかげで、コーナリングも「得意」といえるほどの走りを披露する。この図体のクルマでこんなに飛ばせるのかというほど走れてしまうのだ。
