2021年11月3日、英国市場でBEV(電気自動車)版シトロエン ベルランゴの発売が開始された。同日、ルノーからもカングーバンをベースとする電気自動車の受注がスタートしている。待ったなし!の電動化が加速する現代、どうせBEVを買うなら遊び心満点のフレンチMPVにときめいてみるのはいかがだろう。

COP26の各国首脳とともに? 英国上陸を果たしたBEV版ベルランゴ

画像: 英国で販売されるeベルランゴの上級仕様「フレアXTR」(5人乗り)。

英国で販売されるeベルランゴの上級仕様「フレアXTR」(5人乗り)。

英国市場で正式に発売がスタートしたシトロエンe ベルランゴ エレクトリック(以下、eベルランゴ)。

個性的なデザイン、コマーシャルカー譲りの抜群のユーティリティ、そしてディーゼルターボエンジンのフレキシブルな走りの愉しさなど、日本でも人気が高いマルチパーパスビークルのBEV(Battery Electric Vehicle=電気自動車)仕様である。

公表されたeベルランゴの画像を見て、思わずときめいてしまった。充電ポートにつながれている姿はさながら、ご主人の帰りをおとなしく待っている大型犬(超がつく)のようで・・・用もないのに「なでなで」したくなるほどに愛らしい。

しかもどれだけ走っても、それ自体はCO2をまったく排出しないことが、さらなる愛おしさを募らせる。

英国での販売価格は、2万9575ポンドからだという。日本円にして450万円を超える。

それなりに立派な金額のように思えるけれど、こちらは英国流の諸費用、税金その他を含んだいわゆる「乗り出し価格」にあたる。そこからやはり英国独自の「Plug-in Car Grant」と呼ばれる補助金制度の恩恵を受けた金額だ。

画像: スタンダードな「Feel」は、さりげなくブルーのアクセントが配される。5人乗り仕様のディメンジョンは、全長4403mm、全幅2107mm(ミラー含む)、全高1844mm。

スタンダードな「Feel」は、さりげなくブルーのアクセントが配される。5人乗り仕様のディメンジョンは、全長4403mm、全幅2107mm(ミラー含む)、全高1844mm。

ちなみに2021年度の英国版補助金は2500ポンドで、日本円にしておよそ40万円弱。令和3年度の日本のCEV補助金(上限42万円)とほぼ拮抗する。ただ日本の場合は今後も、V2H、再生可能エネルギー導入などとの合わせ技による上乗せや、地方自治体による補助が期待できる。

となれば、日本仕様のベルランゴの上級仕様(車両価格:362万9000円)との実質的な差は、意外に縮まることになるかもしれない。

おりしも英国グラスゴーにおいて、COP26(国連気候変動枠組条約 第26回締約国会議)が2021年10月31日〜11月12日に開催されているさなかでの販売スタートとなった。

これは完全に狙っているな・・・と少しばかり勘繰りつつも、日本上陸の日々が待ち遠しい。果たしてeベルランゴとは、どんなクルマなのだろう。

ドライブレンジは280km(WLTPサイクル)。実用性はICEと変わらず

画像: 多彩なシートアレンジはベルランゴならではの魅力。電動化されてもその愉しさはスポイルされていない。

多彩なシートアレンジはベルランゴならではの魅力。電動化されてもその愉しさはスポイルされていない。

シトロエンは2025年までにすべてのラインナップにエレクトリックバージョンを提供する、とコミットメントしている。eベルランゴは、その最新ステップということになる。

搭載される電気モーターのスペックは、最高出力が100kW(136ps)、WLTPサイクルでの航続距離は174マイル(280km)と発表されている。最高出力だけ見れば、日本仕様の1.5L BlueHDiモデルの96kW(130ps)をわずかに凌ぐスペックだ。

リチウムイオンバッテリーの容量は50kWh、最大100kWの急速充電に対応していて30分で80%まで再充電できるという。オプションで搭載される11kWオンボード充電器なら4時間45分で満充電。エネルギーフローに関しては、10インチのデジタルインストルメントクラスターと8インチタッチスクリーンで簡単に確認することが可能だ。

荷室ボリュームは、大容量のバッテリーを搭載しても相変わらず余裕だ。英国には「XL」と呼ばれる3列7人乗り仕様もあるが、日本向けと同じ5人乗りの「M」でも775~3500Lを確保している。室内には26カ所ものコンパートメントを配置、あわせて167Lの収納量を誇る。

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