混乱続きも速さで優ったハミルトン、3連勝達成で同点最終戦決着へ
2度にわたる赤旗&再スタートや多数の接触、ペナルティなど、荒れに荒れた初開催のサウジアラビアGPは、結局コース上で常に最速だったハミルトンの3連勝で幕を閉じた。
タイトルを争うハミルトンとフェルスタッペンの意地と意地がまず最初に激突したのは、10周目のミック・シューマッハのクラッシュがきっかけだった。セーフティカーが出るや、スタートから1-2を走るハミルトンとボッタスが早々にピットインしたのに対し、フェルスタッペンはステイアウト。メルセデス2台はすぐにレッドブル・ホンダの後ろについたため、これは失策かと思われたが、直後の赤旗/レース中断でフリーのタイヤ交換機を得たことでフェルスタッペンが息を吹き返した。
しかし、ポールポジションからの2度目のスタートで、フェルスタッペンは蹴り出しに失敗。ターン1でハミルトンの進路をアウトから塞ぐ形で強引に首位を奪ってしまったためフェルスタッペンにペナルティが科され、直後に出た2度目の赤旗後の再スタート時には、1度目の再スタート直後に2番手に上がっていたエステバン・オコン(アルピーヌ・ルノー)、ハミルトン、フェルスタッペンという順位のグリッドとなる。
それでもフェルスタッペンは2度目のスタートでズバリとハミルトンのインに飛び込み、今度はクリアに首位を奪取する。だが、ハミルトンも譲らない。フェルスタッペンはミディアム、ハミルトンはハードと、フェルスタッペンがタイヤ面で優位な局面のはずだったが、逆にハミルトンをまったく突き離せない苦しい展開となった。
そして、37周目にオーバーテイクを仕掛けられて、またも強引な抑え込み。その周の終わりにレースコントロールの指示で順位を譲ろうとするもそこにハミルトンが接触し、フェルスタッペンに5秒のペナルティが課せられたことで、両者の勝負に決着がついた。
結局ハミルトンは、コース上でフェルスタッペンを自力で抜き返して、最後は悠々とフィニッシュ。ファステストラップ(1点)も獲得し、ドライバーズ選手権ではフェルスタッペンと同点で最終戦を迎えることになった。コンストラクターズ選手権ではレッドブル・ホンダのセルジオ・ペレスがクラッシュでリタイアしたことでメルセデスが大きく点差を広げている。
運命の第22戦最終戦アブダビGPはヤスマリーナ・サーキットで2021年12月10日で開幕、12日に決勝レースが開催される。
2021年F1第21戦サウジアラビアGP決勝 結果
1位 44 L.ハミルトン(メルセデス)50周
2位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)+11.825s
3位 77 V.ボッタス(メルセデス)+27.531s
4位 31 E.オコン(アルピーヌ・ルノー)+27.633s
5位 3 D.リカルド(マクラーレン・メルセデス)+40.121s
6位 10 P.ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)+41.613s
7位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+44.475s
8位 55 C.サインツ(フェラーリ)+46.606s
9位 99 A.ジョビナッティ(アルファロメオ・フェラーリ)+58.505s
10位 4 L.ノリス(マクラーレン・メル セデス)+61.358s
・・・・・・・・・・・・・
14位 22 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)+1周
リタイア 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダ)
2021年F1ドライバーズランキング(第21戦終了時)
1位 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)369.5 ※
2位 L.ハミルトン(メルセデス)369.5 ※
3位 V.ボッタス(メルセデス)218
4位 S.ペレス(レッドブル・ホンダ)190
5位 C.ルクレール(フェラーリ)158
6位 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)154
7位 C.サインツ(フェラーリ)149.5
8位 D.リカルド(マクラーレン・メルセデス)115
9位 P.ガスリー (アルファタウリ・ホンダ)100
・・・・・・・・・
14位 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)20
※:両者同点だが、優勝回数の差により順位を決定
2021年コンストラクターズランキング(第21戦終了時)
1位 メルセデス 587.5
2位 レッドブル・ホンダ 559.5
3位 フェラーリ 307.5
4位 マクラーレン・メルセデス 269
5位 アルピーヌ・ルノー 149
6位 アルファタウリ・ホンダ 120