ミディアムタイヤのペースがいまひとつ上がらず
サウジアラビアGPは、タイトルを争うレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンとメルセデスのルイス・ハミルトンの意地と意地がぶつかりあう壮絶なレースとなった。
スタートタイヤはともにミディアム。スタート後の序盤でハミルトンがトップ、フェルスタッペン3番手とスターティンググリッドのまま。
最初のアクションは10周目のセーフティカー導入時に起きる。この時、すぐさまハミルトンがハードタイヤに交換したのに対して、フェルスタッペンはメルセデスとのリードを築くためにコース上にとどまった。
結果的にこのレッドブル・ホンダの判断が有利に働いた。その直後にクラッシュバリア修復のためレースは赤旗中断となり、フェルスタッペンはリスタートに備えてロスなくハードタイヤに交換することが可能となったのだ。
ところがこの有利な状況も、あっという間にひっくり返ってしまう。リスタートのターン1でフェルスタッペンはハミルトンの進路をアウトから塞ぐ形で強引に首位を奪ってしまいペナルティが科される。そしてその直後に、後続のクラッシュで再びレース中断。
2回目のリスタートでレーススチュワードから、フェルスタッペンに対してペナルティとしてリスタート時の2ポジションダウンという裁定が下されてしまう。これにより2回目のリスタートを3番グリッドからスタートすることになったフェルスタッペンは、ミディアムタイヤに交換。ハードタイヤのハミルトンを、ミディアムタイヤのスピードを活かしてオーバーテイクする戦略に出た。
フェルスタッペンのこの戦略はまたもズバリと当たり、2回目のリスタートで再びトップに立つことに成功。ここからフェルスタッペンとハミルトンの壮絶なバトルが始まる。
フェルスタッペンの誤算は、ミディアムタイヤのペースがいまひとつ上がらなかったこと。次第にハードタイヤのハミルトンの追撃に防戦する一方となり、フェルスタッペンの強引な抑え込みに対して順位を譲るようにレーススチュワードから指示が出て、事実上、両者の勝負に決着がついた。