マツダならではの情熱が込められた、新しい運転支援の形
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2020年10月にMHEVモデルが、2021年1月にピュアEVモデルがそれぞれ発表された「MX-30」。フリースタイルドアなど、強い個性が魅力的なクロスオーバーSUVだ。
マツダのクルマ作りの根底には常に、クルマを通して生きる歓びを届けていきたい、という哲学がある。2020年に迎えた創立100周年を機にそのビジョンはさらに具体性を帯びた活動目標として確立され、サスティナビリティとクルマに対する情熱、というふたつの視線を中心に未来への道筋が示された。
2021年12月9日に発表された新しい運転支援装備「Self-empowerment Driving Vehicle(セルフ エンパワーメント ドライビング ビークル):略称SeDV」もまた、そんなマツダならではの情熱が込められたもの、と言えるだろう。
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アクセルリング、レバーブレーキともに、さりげなくインターフェイスに溶け込んでいる。操作性とともに「邪魔をしない」デザインと配置にこだわった。
2L直4 マイルドハイブリッド(156+6.9ps/199+49Nm)搭載の「MX-30」(242万円~)と、電気モーターで走るピュアEV(145ps/270Nm)の「MX-30 EV」(451万円~)の運転システムにアクセルリングとレバーブレーキを架装し、手動での加減速コントロールを可能にするキットだ。
具体的なユーザーターゲットは、足に障害を持つドライバー。それでも前向きに「家族や仲間とアクティブに移動を楽しみたい」とか、あるいは「できるだけ自分の力で、私らしい人生を過ごしたい」と強く願っている人々である。
操作感覚のわかりやすさなど、ドライブのストレスを緩和
いかにもマツダらしいのは、手で操る場合でもしっかり人とクルマの一体感を追求し続けているところにある。
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両手でしっかり握ることで操作がしやすく、長時間の運転でも上半身の負担を軽減してくれるという。
加速の制御は、3本スポークハンドルの内側、周方向に分割配置されたリング状のレバー「アクセルリング」で行う。どの部分で押しても伝わってくる反力が同じで、加速する操作感が非常にわかりやすい。
反力には段階が設けられ、加速だけでなく一定速度の維持などを感覚的に操ることができる。マツダはこれを「直感コントロール機能」と呼ぶ。ハンドルを切りながら同時に加速力をコントロールすることも、もちろん自在だ。
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力の入る起点となる肩をしっかり固定するとともに、サポートボードが細かい運転操作を可能にしてくれる。
ブレーキングをコントロールするレバーブレーキは、シフトレバーより手前に配置。しっかり、力を加えることができる。さらに肘を添えるサポートボードを設定、肘を支点することで細かな減速操作にも対応している。
これらのデバイスを正しく操作するために、MX-30 SeDVは適正な運転姿勢にもこだわった。それぞれの配置は扱いやすさとともに、運転者の身体に邪魔にならないように配慮されたものでもある。
こうした創意工夫が、リラックスして運転できる環境を作りだしてくれる。結果、ロングドライブでもストレスが少なく、長時間運転しても苦にならないという。