目指すは「ニュルブルクリンクFF市販車最速の座」奪還か?
ホンダ シビックは、1972年に初代がデビューしてから2年後の1974年、スポーツグレードの「RS」を設定した。以降、2代目には「CX」、3代目以降では「Si」「SiR」などが設定され、6代目からは「タイプR」が登場。2021年8月に11代目となる新型シビックの日本仕様が発表されたときに、2022年にはタイプRとe:HEVモデルが追加設定されることがアナウンスされている。シビックには、つねにイメージリーダーとしてのスポーツグレードが求められているのだ。
シビック タイプRとしては6代目となる新型に関しては、すでにドイツのニュルブルクリンクでのテスト走行が行われていたようだが、今回、米国ホンダのWebサイトで鈴鹿サーキットでのテスト走行風景の画像が公開された。ただし、公開されたのは画像だけで、テキストは「Development of the All-New Civic Type R Continues at Suzuka Circuit(鈴鹿サーキットで新型シビック タイプRの開発を継続中)」とあるだけ。
新型タイプRの詳細は明らかにされていないが、カモフラージュされたテスト車両を見る限り、従来型のタイプRと同様の大きなリアウイングやセンター3本出しのエキゾーストエンドをそなえ、前後のバンパースポイラーやフェンダー形状も変更されているようだ。フロントグリル中央の「H」エンブレムは「R」エンブレムに換えられており、あたかも「GT-R」を彷彿とさせる。
パワートレーンは、従来型と同様の2L 直4 VTECターボエンジンに6速MTを組み合わせたFFと思われるが、そのパワースペックがどれほどアップされるかは不明だ。当然ながら、ボディの補強やサスペンション、ブレーキ(おそらくブレンボ)の強化なども図られるはずだ。
目指すは、ニュルブルクリンクFF市販車最速の座。2017年4月に従来型(5代目)タイプRは7分43秒8をマークして最速の座についたが、2019年4月にルノー メガーヌ R.S.トロフィーRが7分40秒1のタイムをたたき出し、今もなおその座を死守している。新型タイプRが、この座の奪還を目指すことは間違いないだろう。
シビック 新型タイプRの発売時期は、2022年秋と噂されている。その迫力あるスタイリングと走りっぷりを、1日でも早く目の当たりにしたいものだ。(文:Webモーターマガジン編集部 篠原政明)