日本でいちばん売れているBMW、3シリーズ
現在のBMWには、さまざまなモデルが存在している。基本形のモデルは1シリーズに始まり、ついに8シリーズまで、8モデルが勢揃いした。SUVのXシリーズも、X1からX7までラインアップ。さらにはオープンカーのZシリーズや電動化モデルのiシリーズ、そしてハイパフォーマンスのMモデルもある。FFのコンパクトカーからセダン、クーペ、SUVまでのフルラインナップといえる内容だ。
しかし、どれほどラインナップが増えようとも、日本での最重要モデルはひとつ。それが3シリーズだ。なぜ、3シリーズかといえば、その理由はシンプルそのもの。
「BMWでイチバン売れているクルマだから」
そう、3シリーズは日本においては長年にわたって、もっともたくさん売れている。BMWグループとして考えれば、近年はMINIのほうが売れており、2016年から2020年まで4年連続で「輸入車ナンバー1」の販売台数を誇っている。ライバルであるフォルクスワーゲン ゴルフを蹴落としての1位は素晴らしい。
セダン、ワゴンともにシャープさを増したルックスが魅力
とはいえ、MINIは3ドアだけでなく5ドアやコンバーチブル、クラブマンにクロスオーバーと、さまざまなボディバリエーションも含まれているし、そもそもBMWとは別ブランドだ。メルセデス・ベンツでいえば、スマートと同じ扱いにして別枠にすべきモデル。そう考えれば、BMWでもっとも売れている=最重要モデルは3シリーズ、といっても過言ではないだろう。ちなみに、メルセデス・ベンツはA/C/Eクラスの3モデルが首位を争っている。これはBMWとメルセデス・ベンツの大きな違いだ。
では、G20型(ワゴンはG21型)と呼ばれる現在の3シリーズは、どのようなクルマなのか。日本では2019年3月から販売されている。その特徴は、先代より大型化しつつも約55kgも軽く、重心を10MMも下げた新しいシャシ&プラットフォームだ。ホイールベースを40mm、トレッドをフロントで43mm/リアで21mm拡大。全長は70mm、全幅は25mmも大きくなり、伸びやかで力強いフォルムだ。デザインは新世代コンセプトを導入しており、キドニーグリルは1つのフレームで縁取られ、より重心の低さをアピール。ヘッドランプは下側に切り欠きのあるデザインとなり、シャープさを増している。
また、3眼カメラを使用する最先端の運転支援システムの搭載もトピックのひとつ。高速道路上の渋滞時にハンズオフ(手放し運転)を可能とする運転支援機能を備えている。日本仕様のパワートレーンは、2L 直4ターボのガソリンエンジンとプラグインハイブリッド、2Lのクリーンディーゼル、3L 直6ターボのガソリンエンジンを設定している。