BMWの売れ筋といえば、なんといっても3シリーズ。その魅力を探るべく、鈴木ケンイチ レポーターがセダンのM340i xドライブとワゴンの318i ツーリングを試乗してみた。

最上級でもエントリーでも、その良さに変わりはない

今回、試乗したのは3L 直6ターボを搭載する「M340i xドライブ」と2L 直4ターボの「318iツーリング」。前者は最高出力387psを誇る、ハイパフォーマンスのM3を除けばトップグレードとなるモデル。一方、後者はエントリーグレードにあたるステーションワゴンだ。

画像: パワフルなモデルではあるが、飛ばすわけでなく、クルマの流れに乗って走っているだけでも楽しくなってしまうだろう。

パワフルなモデルではあるが、飛ばすわけでなく、クルマの流れに乗って走っているだけでも楽しくなってしまうだろう。

まずは、M340i xドライブから。運転席に座った最初の印象は「いつものBMW風」という安心感と「これまでと違う新しさ」という、正反対の感想のせめぎあいだった。デジタル化されたメーターやモニター類に関しては新しさを感じるものの、インパネ全体がドライバーを囲むレイアウトはBMWの伝統を感じさせる。トラディショナルであるけれど、そこに古臭さは一切ない。

メタルやレザー、ウッドを組み合わせたインテリアは、見て、触るほどに質感の良さにうっとりとさせられる。その一方、運転に必要な表示は見やすく、運転するための空間であることを強く感じさせる。こういう部分が、ただのプレミアムカーではなく、ドライバーズカーとして認識されるBMWならではのポイントだろう。

「ドライバーズカー」という印象は、走らせるほどにさらに強まる。ステアリングの手ごたえは重く、操作に対して、クルマはねっとりとした反応を見せる。アクセルの踏み込みに対しては、ドンというのではなく、一瞬のためがあり、それが重厚感につながる。そして何よりも6気筒のエンジンの応答が格別だ。いわゆる「シルキーシックス」と呼ばれるフィーリングは、スムーズでありながらも伸びやか。別に飛ばすわけでなく、街の流れに乗って走っているだけでも楽しくなってしまう。速い、遅い、など関係なく、誰もが、このフィーリングの良さだけでも、このクルマが欲しくなることだろう。

画像: BMWセダンのアイデンティティであるCピラーの「ホフマイスター キンク」と呼ばれる形状は踏襲されている。

BMWセダンのアイデンティティであるCピラーの「ホフマイスター キンク」と呼ばれる形状は踏襲されている。

もちろん、アクセルを深く踏み込めば、最高出力387ps/最大トルク500Nmものパワーがいともたやすく発揮される。遅いわけはない。しかも、エンジンの音はアクセルの踏み込みを二乗したように大きくなる。ゆったり走ればジェントルそのものなのに、ちょっと踏み込み量を増やすとサーキットを走るレーシングカーのような轟音を響かせる。大人のクルマなのに、ちっとも枯れていない。これがBMWの魅力なのだろう。

そうした、枯れてない大人のクルマを実現するには、3シリーズは最適なサイズなのだろう。もっと大きくなると重くて走りが不利になるし、小さいと大人の余裕(=プレミアム性)が感じられなくなる。この立ち位置も3シリーズの人気要因のひとつではないだろうか。

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