クルマは長く乗れば乗るほど見えてくるものがある。これまでMotor Magazine誌で掲載した長期レポート車「ボルボ V60 T6ツインエンジン AWD インスクリプション」を紹介していこう。第1回目の今回は締め切り時に担当者が海外出張ということもあり、約1000km走った時点で燃費データを計算した。すると驚くことにWLTCモード燃費値12.3km/Lを上回る13.2km/Lを記録した。(Motor Magazine 2019年10月号より)

T6とT8の2種のPHEVがあるボルボV60

ボルボV60には、 2種類のプラグインハイブリッド(PHEV)が用意されている。T6ツインエンジンとT8ツインエンジンである、このようにPHEVを2種類用意しているクルマは珍しい。ではその違いはどこなのか。

実はこの2モデルのPHEVシステムは同じもので、モーターの出力も同じだが、2L直4ターボ&スーパーチャージャーエンジンの出力とトルクが違っている。T6ツインエンジンは、最高出力253ps/最大トルク350Nm、T8ツインエンジンは318ps/400Nmである。

そして価格は、前者が659〜759万円、後者は829万円(編集部註:2019年8月当時)。つまり価格差は主にエンジン出力違いによるものだ。高価なPHEVシステムのことを考えると、T6ツインエンジンは、かなりバリューな価格設定となっている。

ではT6ツイエンジンは、力不足なのか、という疑問が湧いてくる。そしてどのような走行パターンだとメリットあるのかなどを検証するため、長期テスト車両として、V60 T6ツインエンジン AWD インスクリプションを導入したというわけだ。

画像: T6ツインエンジンもT8ツインエンジンも2L直4 DOHCターボは同じだが、T6の最高出力が253ps、最大トルク350Nm、T8は318ps/400Nmと異なる。

T6ツインエンジンもT8ツインエンジンも2L直4 DOHCターボは同じだが、T6の最高出力が253ps、最大トルク350Nm、T8は318ps/400Nmと異なる。

マメな充電でPHEVのメリットが活かせる

さて今回は、取材時の高速道路の長距離移動などに加え、編集部で満充電してドライブモードを「Pure」にして帰宅、そして「Pure」で出勤と往復50km程度の走行を繰りし合計で1000km程度走ることができた。

その結果、1回目の給油までの走行距離は約528km、平均燃は14.5km/Lを記録した。これは、WLTCモード値の12.3km/Lを遙かに超えている。つまりこのように充電環境があれば、あまりガソリンを消費しないで済むというわけだ。さらにその間、エンジンがかかったときも、「パワフルだ」と思うことはあっても「非力だな」と感じた場面はなかったことも加えて報告しておく。

ちなみにT6ツインエンジンは、満充電にするとEV走行が40kmと表示されるが、これは「ハイブリッド」の場合で、「Pure」だとそれは45kmに増える。

今回、V60 T6 ツインエンジンは、1日50km程度の走行距離ならマメに充電すれば、そのメリットを最大限に活用することができると実証できたわけだ。(文:Motor Magazine編集部 千葉知充)

■第1回/2021年7月12日~8月2日(1カ月目)のデータ
・オドメーター:4013km
・走行距離:1082km
・給油量:82.0L
・実燃費:13.2km/L

ボルボ V60 T6 ツインエンジン AWD インスクリプション 主要諸元

●全長×全幅×全高:4760×1850×1435mm
●ホイールベース:2870mm
●車両重量:2030kg
●エンジン:直4 DOHCターボ+モーター
●総排気量:1968cc
●最高出力:186kW(253ps)/5500rpm
●最大トルク:350Nm/1700-5000rpm
●モーター最高出力:34kW/2500rpm(前)、65kW/7000rpm(後)
●モーター最大トルク:160Nm/0-2500rpm(前)、240Nm/0-3000rpm(後)
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:AWD
●燃料・タンク容量:プレミアム・60L
●WLTCモード燃費:13.7km/L
●タイヤサイズ:235/45R18
●車両価格(税込):759万円(当時)

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