日本のモータリゼーションとともに月刊モーターマガジンは発行を重ね、今号で800号を迎えた。その間、約67年。自動車業界は今、100年に1度という大変革期を迎えている。そこで、この特集では日本を代表するメーカーやインポーターのキーマンにインタビューし、近未来の展望やカーボンニュートラルへの取り組みなどを訊くことにした。訊き手:Motor Magazine編集長 千葉知充(Motor Magazine2022年3月号より)

今後、日本市場へのハイブリッドモデルの導入が本格化するベントレー。伝統が培ってきたクラフトマンシップは、電動化という流れの中でも変わりはしない。ここではベントレー モーターズ ジャパン ブランドディレクター 牛尾裕幸 氏に、2022年に描く将来への展望を訊いた。

画像: 【Profile】牛尾裕幸 :1964年広島県生まれ。慶応義塾大学を卒業後、1986年マツダ株式会社に入社。2003年からベントレーモーターズジャパンにて、日本担当リージョナルマネージャーを務めてきた。2021年3月より、ブランドディレクターに就任している。

【Profile】牛尾裕幸 :1964年広島県生まれ。慶応義塾大学を卒業後、1986年マツダ株式会社に入社。2003年からベントレーモーターズジャパンにて、日本担当リージョナルマネージャーを務めてきた。2021年3月より、ブランドディレクターに就任している。

電動化を進めながらも、伝統のクラフトマンシップは不変です

本誌 千葉知充(以下、MM) 発表された販売台数を見ると、2021年はとても素晴らしい実績となりましたね。日本市場においても、前年比30%増の596台を達成。まずはその好調の要因を教えていただけますか。

牛尾裕幸 氏(以下、牛尾) そうですね。2021年は、ベントレーにとって記念すべき年になりました。日本での販売も、過去最高を更新しています。そうした好調を支えているのは、もちろんユーザーのみなさまのおかげ、という点がまずあります。プロダクトモデルとしては、第二世代ベンテイガやフライングスパーのV8モデルが通年で貢献してくれました。
同時にブランドとしては、これまでの100年を振り返り、これからの100年に向けてどのように活動していくかを明らかにした「ビヨンド100」という戦略を発表したことで、より注目されることになったことも要因ではないでしょうか。コロナ禍が続く中で、お客さまときちんとコミュニケーションを取り続けていただけたディーラーのみなさまの努力も、大きいと思います。

MM そうした中で今、SDGs、カーボンニュートラルには、どのように取り組まれているのでしょうか。

牛尾 やはり、2020年暮れに発表したビヨンド100戦略に沿って展開しています。そこには4本の柱としてサスティナビリティ、ダイバーシティ、デジタル化、レジリエンスの強化が挙げられています。レジリエンスは財務面の話、つまり企業としての持続可能性の話なので、最初の3つに関して、もう少し詳しく説明させていただきたいと思います。
まず、サスティナビリティに関しては、2030年までにエンド トゥー エンドでのカーボンニュートラルを達成することを目標としています。大きなポイントは、やはり電動化ですね。2021年にはベンテイガ、フライングスパーのハイブリッドモデルをローンチさせていただきました。それがまずはビヨンド100戦略の可能性を示す最初の取り組み、と我々は位置づけています。ベントレーとしては2025年には、ブランド初のEV発売を公表し、さらに2030年にはすべての車種がEVとなる計画です。

MM 2025年以降はPHEVも含めてラインナップを電動化した上で、2030年にはBEV化を図る、ということでしょうか。

牛尾 そういうロードマップになります。

MM 初めてのBEVはベンテイガだと勝手に思っているのですが。サイズ的に余裕のあるSUVは作りやすい、というイメージを持っていたものですから。

牛尾 最初はSUVではないと聞いております。2025年までに全シリーズがハイブリッド化されて、その後、何らかのBEVが登場するということです。それが既存のモデルになるのか、まったく違う新しいラインナップになるのかは、まだわかりません。

MM いずれにしても、既存のユーザーのみなさんは、電動化への期待感はどのようなものでしょうか。私もベントレーのプレミアムBEVへの興味は日増しに高まっています。

牛尾 ことベントレーとしては、なんと言っても強みはクラフトマンシップにあります。それは電動化されても変わりません。2019年に創立100周年を迎えた時に、EXP100GTというコンセプトカーを発表しました。再生可能な素材をふんだんに使ったクルマですが、目指すことろはベントレーらしい「ラグジュアリーモビリティ」の世界を実現することです。

画像: ビヨンド100を象徴する「EXP 100 GT CONCEPT」。

ビヨンド100を象徴する「EXP 100 GT CONCEPT」。

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