VG30ET搭載の新世代フェアレディZ300ZXが登場
2代目フェアレディZ(S130型)を引き継ぐ形で、1983年9月にフルモデルチェンジして登場したのがZ31型だ。当時はまだ圧倒的な差があった欧州スポーツカーを凌駕するという、大きな使命を課せられていた日産の意欲作だった。まだロングノーズの古典的FRスポーツカーのイメージを引きずったスタイルではあったが、Cd値0.31という優れたエアロダイナミクスも実現していた。
注目されたのはエンジンだ。2Lと3LのV6 SOHCターボの2本立て(VG20ET/VG30ET)でスタートする。とくに300ZXに搭載されたVG30ETは当時の国産乗用車としては出色の230psを発生。最大トルクも34.0kgmという太さでハイパワーとフレキシビリティを両立させていた。
足回りもZ31型専用に開発されたものだ。基本設計は先代のストラット/セミトレーリングアームを引き継ぐものの、根本からサスペンションジオメトリーを見直したり、世界初となる3ウェイアジャスタブルショックアブソーバーを採用するなどにより走行安定性を高めている。
インテリアは、見た目の華美さに流されることなく機能性も追求した。シートの形状、機能はもちろん、ステアリング機構の改良も行っている。視認性に優れたメーター類、操作性の良いクラスターメータースイッチの採用など、先進性に富んだものとなっていた。
Z31型 日産 フェアレディZ 300ZX 主要諸元
●全長×全幅×全高:4335×1725×1295mm
●ホイールベース:2320mm
●車両重量:1325(1330)kg
●エンジン:V6 SOHCターボ
●排気量:2960cc
●最高出力:230ps/5200(グロス)rpm
●最大トルク:34.0kgm/3600(グロス)rpm
●トランスミッション:5速MT(4速AT)
●駆動方式:FR
●車両価格:320万7000円(324万円)※1983年当時