日本のモータリゼーションとともに月刊モーターマガジンは発行を重ね、今号で800号を迎えた。その間、約67年。自動車業界は今、100年に1度という大変革期を迎えている。そこで、この特集では日本を代表するメーカーやインポーターのキーマンにインタビューし、近未来の展望やカーボンニュートラルへの取り組みなどを訊くことにした。訊き手:Motor Magazine編集長 千葉知充(Motor Magazine2022年3月号より)

新世代モビリティ「ID.ファミリー」の導入とともに、ゴルフを始めとするICEラインナップもさらに充実。フォルクスワーゲンのこれからにも「隙」はなさそうだ。ここではフォルクスワーゲン ジャパン ブランドディレクターのアンドレア カルカーニ 氏に、2022年に描く将来への展望を訊いた。

画像: 【Profile】アンドレア カルカーニ :2010年フォルクスワーゲン グループ イタリアに入社。イタリアでフォルクスワーゲンブランドの製品マーケティング責任者やマーケティングディレクターを経験してきた。2022年1月よりブランド ディレクターに就任。

【Profile】アンドレア カルカーニ :2010年フォルクスワーゲン グループ イタリアに入社。イタリアでフォルクスワーゲンブランドの製品マーケティング責任者やマーケティングディレクターを経験してきた。2022年1月よりブランド ディレクターに就任。

第1弾として「ID.4」を日本導入。内燃機関も力を入れ続けますよ

本誌 千葉知充(以下、MM) フォルクスワーゲングループは、カーボンニュートラルへの取り組みに、非常に積極的な印象があります。現在、そしてこれから、フォルクスワーゲンブランドとしてどのような具体的な活動を計画されているのかに、注目しています。

アンドレア カルカーニ氏(以下、カルカーニ) フォルクスワーゲンブランド自体のSDGsに対する姿勢は、非常に明確です。「誰でも乗れることができる、カーボンニュートラルなモビリティを提供する」という目標を掲げてきました。そうした次世代モビリティを実現するために、脱炭素化対策として年までに約140億ユーロの投資を進めています。
日本市場においてもとくに、2022年は初めての電気自動車専用のプラットフォームを使った「ID.」ファミリーのモデルが導入されるという意味で、非常に重要な1年になりそうです。

画像: 手ごろなサイズ、実用性にも富んだID.ファミリーは、日本市場でもヒットすることだろう。今後は写真のID.4など、多彩な個性の日本上陸が期待できそうだ。

手ごろなサイズ、実用性にも富んだID.ファミリーは、日本市場でもヒットすることだろう。今後は写真のID.4など、多彩な個性の日本上陸が期待できそうだ。

MM 「ファミリー」とのことですが、2022年中に日本市場に導入されるのはそのうちの1モデルだけになりそうですか。それともある程度、まとまって導入されるのでしょうか。

カルカーニ 2022年の日本導入はまず「第1弾としてID.4」から、ということになります。欧州ではID.3、ID.4に続いてID.5も発売を開始していますが、「誰でも乗れる」ためには、販売ネットワークや簡単に日々充電できる環境など、インフラを整えることが非常に大事ですから。
もちろんID.ファミリーは、フォルクスワーゲンにとって本当に大切な位置づけのモデルになりますので、なるべく多くの新しいモデルを積極的に導入したいと考えています。今後については、各モデルがどれだけ日本市場でポテンシャルを出せるのか、ということも見極めながら決定していきます。

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