300ZRはV6 SOHC12バルブからV6 DOHC24バルブとなり、エクステリアも洗練
![画像: 曲面を生かしてグラマラスになったフロントビュー。パラレルライズアップリトラクタブルランプも曲面になった。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2022/02/17/b4b47e9573666b20c953e47685e596959807db0d_xlarge.jpg)
曲面を生かしてグラマラスになったフロントビュー。パラレルライズアップリトラクタブルランプも曲面になった。
Z31型フェアレディZが、VG30ET(およびVG20ET)、RB20DETに加え、3基目のエンジンを得たのが1986年10月だ。搭載されたエンジンは3LのV6DOHC24バルブのVG30DE。それまでのベースであったVG30EのSOHC12バルブからの根本的な変更となった。
ライバルがどんどん4バルブDOHCエンジンを搭載してきた1980年代後半。V6とはいえSOHCエンジンは、やはりローテク感を拭えなかったための対策でもある。この時、ターボによる過給はなかったが、吸排気系の最適なチューニングをすることによりナチュラルアスピレーションらしい高回転域での出力向上を図っている。
![画像: 流麗なスタイリングをベースにグラマラスさを増した300ZR。ショートホイールベースが際立つ。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2022/02/17/dcc8e35c89f287e297b6de41bd52bbc32ded9505_xlarge.jpg)
流麗なスタイリングをベースにグラマラスさを増した300ZR。ショートホイールベースが際立つ。
エクステリアも大きく変わった。もともとの流麗でダイナミックなスタイリングを基本にしつつ、張りのある面構成、大きく張り出したグラマラスフェンダーとし、力強さと風格を高めた。ボンネット、フロントフェイシャーとフェンダーを連結した曲面で構成したことによりフロントビューも力強くなった。
インタークーラーが不要となったために、エアインテークが廃され、パワーバルジが設けられた。
サスペンションは、フロント・ストラット、リア・セミトレーリングアーム形式を引き続き採用しつつ熟成している。基本的にはハードな方向だ。さらに4WS(4輪アンチスキッド)を採用し、新パワーユニットに見合った制動性能を確保した点も、現代的になったところだ。
さらに1988年にはそれまでの60偏平から50偏平タイヤに加え、ビスカスLSDがオプション設定となる小変更を受け、1989年にZ31型フェアレディZは生産終了を迎えることになる。
日産 Z31 フェアレディZ 300ZR 主要諸元
●全長×全幅×全高:4405×1725×1295mm
●ホイールベース:2320mm
●車両重量:1450(1450)kg
●エンジン:V6 DOHC
●排気量:2960cc
●最高出力:190ps/6000rpm
●最大トルク:25.0kgm/4400rpm
●トランスミッション:5速MT(4速AT)
●駆動方式:FR
●車両価格:361.6(375)万円 ※1986年当時