2022年2月、ホンダの雪上試乗会がスキー場に作られた特設コースを舞台に行われた。そこに用意されたクルマたちは、ヴェゼルやCR-VといったSUVだけでなく、コンパクトカーのフィット、そしてミッドシップのS660モデューロXなど多数。そのなかでも、佐藤久実レポーターが印象深く感じていたのは正式発売前の「ヴェゼル e:HEV モデューロX」だった。（Motor Magazine 2022年4月号より）
ホンダのコアバリューを突き詰めた「ヴェゼル e:HEV モデューロX」
「ホンダ四輪テクニカルワークショップ スノーテストドライブ2022」に参加してきた。従来、雪上イベントは北海道にあるホンダのテストコースで開催されていたが、今回は木曽の御岳近郊の特設コースで開催された。「生きた道」でよりリアルな車両挙動を感じて欲しいというのが狙いだ。
最近のホンダは、デザイン、ダイナミクス、インターフェイスを人間中心とし、三位一体で商品価値を高め、ユーザーの移動と暮らしをシンプルにする、という「コアバリュー」のもと、クルマづくりを行っている。確かに現行型のフィット以降、シビック、ヴェゼルと視認性の良さをはじめ、クルマ作りがシンプルになっていることを感じる。
「AWD」はさらに走破性が高まることで「安心と信頼」が増し、運転の楽しさや目的地でのレジャーなど、「コトの拡大」が期待できるというコンセプトだ。
2モーターハイブリッドシステムe:HEVとリアルタイムAWDと組み合わせたヴェゼル モデューロX。市販間近だ。
さて、そんなAWDを搭載したモデルの中でも、今回雪上でもっとも安心かつファンに走れたのは、「ヴェゼル e:HEV モデューロX」。ホンダアクセスが手がけるコンプリートカーでホンダのコアバリューをさらに突き詰めたモデルと言っても良いだろう。
最近はコンピュータでかなりのレベルまでクルマづりができてしまう時代だが、モデューロXは、数値に表れない「乗り味」を職人気質の匠の手で作り込むことにこだわり、徹底的に走り込みを繰り返しながらセットアップしていったという。エアロ、サスペンション、ホイールがベースモデルから変更されている。
