2022年2月、ホンダの雪上試乗会がスキー場に作られた特設コースを舞台に行われた。そこに用意されたクルマたちは、ヴェゼルやCR-VといったSUVだけでなく、コンパクトカーのフィット、そしてミッドシップのS660モデューロXなど多数。そのなかでも、佐藤久実レポーターが印象深く感じていたのは正式発売前の「ヴェゼル e:HEV モデューロX」だった。(Motor Magazine 2022年4月号より)

雪道であってもクルマが思いどおりに動いてくれる

たとえば、カスタマイズにおいてホイールは比較的手を出しやすいパーツだが、決まり文句のように「高剛性」が謳われている。が、実は剛性が高過ぎるのも良くないという。タイヤがたわもうとしてもホイールが硬すぎると路面からの入力を跳ね返してしまう。つまり、接地が抜けてしまう。

エアロもしかりで、ダウンフォースで抑えつけ過ぎてもタイヤホイールの動きを規制してしまう。ということで、トータルバランスを取りながら開発されたのがモデューロXで、雪道でもバネ下がしなやかに動いているのが実感できた。

雪道では、「滑るのが怖い」というイメージが強いかもしれないが、それよりハンドルを切っても曲がらない方が怖い。その点、ヴェゼル モデューロXはしっかりした手応えがあり、舗装路と変わらない感覚で運転でき、しっかり舵が効く安心感がある。一般道なので限界域を試すことはできないが、それでも思いどおりにクルマが動いてくれるので「気持ち良く」そして「楽しく」走ることができた。

たくさんお金をかけて奢った装備ではなく、ていねいに開発した結果だという。つまり「精度」を高めたということだろう。ならば、そもそもベース車のヴェゼルをこのハンドリングにしてくれれば良いのに・・・とも思ったが、ヴェゼル モデューロXは接地感を上げている分、舗装路の幹線道路などにおいては、音や振動がベース車より大きくなるという。なるほど、メーカーの作るクルマは「最大公約数」を取っているということを改めて理解した。

電動化が進む昨今だが、ホンダは現状、プロペラシャフトを有するAWDが理想と考えている。いずれにしても、単に雪道でのトラクション性能を高めるだけでなく、四輪の駆動力を制御し、安心して楽しめるホンダらしいAWDモデルの登場を期待したい。(文:佐藤久実/写真:ホンダ)

画像: ホンダのハイブリッド×AWDが勢揃いした雪上試乗会。絶好の天気だったがメニューは走り足りなかった。

ホンダのハイブリッド×AWDが勢揃いした雪上試乗会。絶好の天気だったがメニューは走り足りなかった。

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