2WD化したことで車両重量を軽減
ウエッジシェイプのシルエットは4WDと変わらない。2WD化されて、前後の重量配分は40：60となった。
ランボルギーニ最大のヒット作となったガヤルドの後継車種として、2014年に登場したウラカン。その車名はスペイン語でハリケーン（台風）を意味するが、ランボルギーニのネーミング法則に則り、実在した闘牛の名前に由来する。
発売から8年を経過したいま、ガヤルド以上の台数を生産して最大のヒット作の座はウラカンのものとなった。フラッグシップのアヴェンタドールはV12エンジンを搭載するが、ウラカンはガヤルドと同様にV10エンジンをリアミッドに搭載する。
ウラカンは2019年に大幅改良を受けて、名称も「ウラカン EVO（エヴォ）」へと変更して駆動方式は4WDのみの設定だった。ところが、2020年1月に「EVO RWD」が追加登場した。その名のとおりRWD（後輪駆動）、つまり2輪駆動を採用しているのだ。
5.2LのV10エンジンは4WDより少しデチューンされているとはいえ、610psと560Nmを発生する。
安定志向の4WDモデルに対し、EVO RWDはより運転を楽しむためのモデルとなっている。軽量アルミニウムとカーボンファイバー製のハイブリッドシャシ、アルミニウムと熱可塑性樹脂のボディにより、乾燥重量は1389kg。4WDのEVOは1422kgだから、33kgも軽量化されている。
ミッドシップ搭載されるV10エンジンの排気量は4WDのEVOと同じ5.2Lだが、最高出力は610ps、最大トルクは560Nmと、4WD EVOの640psと600Nmより少しデチューンされている。それでも、公称で0→100km／h加速は3.3秒、最高速度は325km／hというパフォーマンスを発揮する。組み合わされるトランスミッションは7速DCT。
ハイパフォーマンスの後輪駆動モデルゆえ、最新のパフォーマンス・トラクションコントロール・システム（P-TCS）を採用し、前もってトルクを発生させて急激なトルク低下を防ぐため、コーナリングから立ち上がる際のトラクションを向上させている。
エクステリア同様インテリアも六角形のモチーフを多用する。ステアリングは7速DCTのパドル付き。
前後のデザインはEVO 4WDとは大きく異なり、彫刻のように精悍なフロントフェイスが特徴的だ。大型化されたフロントのエアインテークには新しいフロントスプリッターと垂直フィンを備え、またグロスブラックのリアバンパーには、ウラカン EVO RWD専用の最新ディフューザーが装着されている。
インテリアでは、センターコンソールに8.4インチのHMIタッチスクリーンを搭載して、スマートフォンやインターネットとのリンクも可能だ。もちろん、他のランボルギーニ車同様に、ボディカラーやインテリアのトリムなどは、オプションで自由にカスタマイズできる。
4WDのEVOよりパワーは抑えられているが、より軽いボディと2WDならではの走りが味わえるEVO RWD。あのカウンタックから継承される純粋なドライビングの楽しさは、こちらのほうが優っているだろう。なお、EVO RWDには4WDモデル同様スパイダーも設定されている。
リアバンパー下部のディフューザーは、ウラカン EVO RWD専用の形状となっている。
■ランボルギーニ ウラカン EVO RWD 主要諸元（本国仕様）
●全長×全幅×全高：4520×1933×1165mm
●ホイールベース：2620mm
●車両重量：1464kg
●エンジン種類：V10 DOHC
●排気量：5204cc
●最高出力：449kW＜610ps＞／8000rpm
●最大トルク：560Nm＜57.1kgm＞／6500rpm
●WLTPモード燃費：7.2km／L
●トランスミッション：7速DCT
●駆動方式：縦置きMR
●タイヤサイズ：前245／35R19、後305／35R19
●車両価格（税込み）：2653万9640円
