登場から6年の歳月が経つ人気のフラッグシップSUV。数々の改良が加えられ、走りや装備に磨きがかけられているのも事実。その熟成度を見るため改めて試乗してみた。(Motor Magazine 2022年5月号より)

ボディサイズの大きさを感じさせない軽快な走り

そして走り出すとこのクルマは魅力がさらに増す。大きなボディを感じさせない軽快なフットワークの持ち主なのだが、熟成が進み、それがさらに増幅したようだ。

画像: 2L直4ターボに48V MHEVシステムを組み合わせ、最高出力300ps、最大トルク420Nmを発生。

2L直4ターボに48V MHEVシステムを組み合わせ、最高出力300ps、最大トルク420Nmを発生。

最高出力300ps、最大トルク420Nmを発生する2L直4ターボエンジンは、急な登り坂もグイグイと力強く駆け上がっていき力不足を感じる場面はまったくなかった。元気さは、ワインディングロードに持ち込んでも健在である。コーナリングも実に楽しいSUVである。

そして乗り心地も実にいい。たとえば道路の段差を乗り越えた時に乗員に伝えてくる振動はとてもまろやかだ。さらに荒れた路面を走るときなどは足まわりがよく動いてくれるという印象を持った。

XC90はとても饒舌に路面からのインフォメーションを伝えてくれる。クルマと対話しながら走ることができるのである。そもそもボルボ車はどのモデルも長距離ドライブに適しているが、このXC90
も間違いなく疲労を極力少なくしてくれる。

今回も試乗で500km近くは走ったが、これでもまだ走り足りない、もっと遠くへ行きたいと思ってしまうほどなのだ。

XC90のマルチな才能は、さまざまなライフスタイルの相棒として最適な1台と言えるだろう。(写真:井上雅行)

ボルボXC90 B6 AWD インスクリプション主要諸元

●全長×全幅×全高:4950×1960×1775mm
●ホイールベース:2985mm
●車両重量:2130kg
●エンジン:直4DOHCターボ+電動スーパーチャージャー+電気モーター
●総排気量:1968cc
●最高出力:220kW(300ps)/5400rpm
●最大トルク:420Nm/2100-4800rpm
●モーター最高出力:10kW/3000rpm
●モーター最大トルク:40Nm/2250rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:4WD(AWD)
●燃料・タンク容量:プレミアム・71L
●WLTCモード燃費:10.5km/L
●タイヤサイズ:275/45R20
●車両価格(税込):1024万円

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