それに先立ちラージ商品群技術フォーラムを開催、技術導入の狙いなどのプレゼンテーションや
欧州仕様プロトタイプのディーゼルエンジン搭載車やPHEに試乗する機会を設けた。
それぞれに最適なモーターを組み合わせた
マツダが新世代ラージ商品群の第1弾となるCX-60を公開した。第1弾とするのは後に、第2〜4弾が控えているからだ。それはCX-70/CX-80/CX-90である。
そもそもマツダは、BEVだけではなく、PHEVやディーゼルエンジンやスカイアクティブX、MHEV、内燃機関のバイオ燃料対応などを含むマルチソリューションで環境に貢献し、2050年のカーボンニュートラルを目指している。今回は、その中の電動化実現モデルである。
このラージ商品群の特徴は、直列6気筒スカイアクティブG/D/X、PHEV、48V MHEV、トルクコンバーターレス8速AT、スカイアクティブマルチソリューションスケーラブルアーキテクチャーの採用である。ちなみにこうしたラージ商品群のような一括開発には開発費削減効果もあり、前世代比で25%減になっている。メリットも大きいようだ。
あえて直6エンジンと開発。排気量も3.3Lとなる
今回は現時点での最新モデルとなるラージ商品群の中で、eスカイアクティブDとPHEVの欧州仕様プロトタイプに試乗できた。今後、CX-60として市販されるモデルの欧州仕様プロトタイプである。ちなみにどちらもエンジンを縦置き方式、後輪駆動ベースの4WDシステムを採用している。
まずはeスカイアクティブD搭載車に試乗した。このモデルは、新開発3.3L直6ディーゼルエンジンに48V MHEVシステムを組み合わせ、燃費のいい大きな排気量のエンジンと小さなモーターで環境性能を向上させるのを目的としている。ちなみに燃費性能はB・Cセグメント並を実現しているという。
実際に走り出すと550Nmというトルク値が示すとおり、低回転から太いトルクを発生させて走りに余裕がある。アクセルペダルを踏み込んでフル加速してみても、ディーゼルエンジンにありがちな高回転域での頭打ち感がない。低速域・高速域、いずれの領域におけるパワー感から一般道での扱いやすさを想像することは容易だ。
次にeスカイアクティブPHEVに試乗、2.5L直列4気筒エンジンにPHEVシステムを組み合わせ、大きなモーターによる力強い走りと環境性能を両立しているのが特徴だ。狙いは駆動用モーターの大トルク、高出力による緻密な駆動力コントロールなのだが、モーターとエンジンが見事に協調していることが確認できた。
好印象だったのは、良く動くサスペンションである。これは直感サスペンションと呼ばれ、外乱に強く人の感覚に合うよう開発されたものだ。実際にスラローム走行では、快適かつリズミカルに走りが楽しめた。さすが、人馬一体を開発の主軸に置くマツダの製品であると感じた次第だ。
マツダ CX-60 e-SKYACTIV D(欧州仕様プロトタイプ)主要諸元
●全長×全幅×全高:4742×1890×1691mm
●ホイールベース:2870mm
●車両重量:-kg
●エンジン:直6 DOHC+モーター
●総排気量:3283cc
●最高出力:187kW(254ps)/3750rpm
●最大トルク:550Nm/1500-2400rpm
●モーター最高出力:12.4kW(17ps)/900rpm
●モーター最大トルク:153Nm/200rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:4WD
●燃料:軽油
●タイヤサイズ:235/50R20
※最高出力と最大トルクは日本仕様・社内測定値
マツダ CX-60 e-SKYACTIV PHEV(欧州仕様プロトタイプ)主要諸元
●全長×全幅×全高:4742×1890×1691mm
●ホイールベース:2870mm
●車両重量:-kg
●エンジン:直4 DOHC+モーター
●総排気量:2488cc
●最高出力:141kW(191ps)/6000rpm
●最大トルク:261Nm/4000rpm
●モーター最高出力:129kW(175ps)/5500rpm
●モーター最大トルク:270Nm/4000rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:4WD
●燃料:プレミアム
●EV走行距離:61-63km
●タイヤサイズ:235/50R20
※最高出力と最大トルクは日本仕様社内測定値