2009年7月、レクサスHS250hが登場、正式発表前に先行予約が殺到し「納車4カ月待ち」となるなど人気を集めた。環境に優しい新しいプレミアムの提案に、Motor Magazine誌も注目、発表後すぐに試乗テストを敢行している。ここではその模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2009年10月号より)

ハイブリッド車らしくない「美徳」が随所に

HS250hを目覚めさせるには「POWER」ボタンを押すのだが、その始動はハイブリッドモデルらしく音も振動も体感できるものはない。そしてアクセルペダルを踏み込むとクルマがスルスルと発進する。走行時の室内も極めて静かだ。エンジン音を聞くには、わざとアクセルペダルを底まで踏み込んでエンジンを高回転まで回すしかないが、そんなシーンはこのHS250hには不似合いだ。

画像: 2AZ-FEX型2.4L直4DOHC(150ps)エンジンを搭載。モーター(143ps)と合わせたシステムとして発揮できる出力は190ps。

2AZ-FEX型2.4L直4DOHC(150ps)エンジンを搭載。モーター(143ps)と合わせたシステムとして発揮できる出力は190ps。

直進安定性は高く、全体的にフラットな乗り心地だが、印象が良くなるのはワインディングや荒れた路面になってから。剛性の高さが感じられるボディは、連続するコーナーを安定して走り抜くことができ基本的な性能の高さが感じられる。ボディがしっかりと作り込まれているといった印象だ。いい意味でハイブリッド車らしくない走りが楽しめるクルマだと言っていいだろう。

ハイブリッド車らしくないと言えばトランクスペースもそう。ハイブリッド車の場合、バッテリーの搭載場所によりトランクスペースがどうしても犠牲になるが、HS250hはそのようなことはない。これには驚いた。これはハイブリッドコントローラーやバッテリーを後席の後ろに配置するなどの工夫により実現したという。

逆の驚きは、エンジンルームを開けたときにあった。HS250hには、LSやGSのようにエンジンカバーが装着されていないのだ。これは、エキマニから高熱が発生するため、技術的に装着できなかったのだというが、ちょっと残念。

しかし、視線を移すと、それほど重くない(と思われる)エンジンフードを左右2本のダンパーが支えている姿が目に入る。なんとも頼もしい姿だ。これには、「さすがレクサス」と声を上げてしまう。あとはエンジンカバーさえあれば……と思ってしまったが、それは私だけだろうか。(文:Motor Magazine編集部 千葉知充/写真:島村栄二)

レクサス HS250h バージョンI 主要諸元

●全長×全幅×全高:4700×1785×1505mm
●ホイールベース:2700mm
●車両重量:1640kg
●エンジン:直4DOHC+モーター
●排気量:2362cc
●エンジン最高出力:110kW(150ps)/6000rpm
●モーター最高出力:105kW(143ps)
●エンジン最大トルク:187Nm/4400rpm
●モーター最大トルク:270Nm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:FF
●10・15モード燃費:23.0km/L
●車両価格:453万円(2009年)

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