チャンピオンシップの行方を占う上で重要なイベント
ラリー・モンテカルロのセバスチャン・ローブ(フォード プーマ)優勝で幕を開けた2022年シーズンは、その後、スノーラリーの第2戦ラリー・スウェーデンと、ターマック(舗装路)ラリーの第3戦クロアチア・ラリーをカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス)が連勝。トヨタがハイブリッドカーの「ラリー1による新時代」をリードする形となっている。
2022年WRCドライバーズランキング(第3戦終了時)
1位 K.ロバンペラ(トヨタ) 76
2位 T.ヌーヴィル(ヒョンデ)47
3位 C.ブリーン(Mスポーツ フォード)30
4位 S.ローブ(Mスポーツ フォード)27
5位 O.タナック(ヒョンデ)27
6位 勝田貴元(トヨタ)26
2022年WRCマニュファクチャラーズランキング(第3戦終了時)
1位 トヨタ 126
2位 ヒョンデ 84
3位 Mスポーツ フォード 80
こうして迎える第4戦ラリー・ポルトガルは、これから8月の初旬にかけて5戦連続で開催される、グラベルラリーの緒戦となる重要なイベント。2022年デビューしたラリー1車両にとって、ポルトガルは初めて臨むグラベルラリーとなり、今後に向けて非常に重要な意味を持つ1戦となる。
ポルトガルのステージはハイスピードな区間とテクニカルな区間の両方があり、グラベルでのクルマの総合性能を判断する上で最適なラリーであると言われている。
ラリーのサービスパークはポルトガル北部の都市ポルトの郊外マトジニョスに置かれ、5月19日木曜日の夜に行われるセレモニアルスタートで開幕。直後の市街地スーパーSSで競技が始まる。
20日金曜日は、サービスパークの南約130kmに位置する古都コインブラを起点にアルガニル地域で7本のステージを走行し、1日の最後にはロウサダでスーパーSSが行われる。この日はサービスの設定がないため、8本計121.67kmのステージをノーサービスで走りきらなくてはならない。
3日目の21日土曜日は、ポルト北東のカブレイラ山脈を中心に、3本のステージを日中のサービスを挟んで各2回走行。最後にポルト市街地のドウロ河口沿いでスーパーSSが行われる。7本のステージの合計距離は164.98kmと長い1日となる。
最終日の22日日曜日は5本のステージを走行。最終ステージとなるSS21は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されている。
4日間のステージは全部で21本、合計338.34km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は、1522.89kmが予定されている。
グラベルでは路面が軟らかい砂や目の細かな砂利で覆われているため、スタート順の早いドライバーはその滑りやすい砂を掃き飛ばしながら走らなくてはならないため不利なコンディションでの走行となるが、ドライバー選手権をリードするロバンペラが金曜日トップ走行のハンデをどう克服するかも注目される。
なお、2021年のラリー・ポルトガルでは、先行するヒョンデ勢のアクシデントもあり、初日3番手スタートのエルフィン・エバンス(トヨタ ヤリス WRC)が逆転優勝を飾っている。
【参考】2021 WRC第4戦ラリー・ポルトガル 結果
1位 E.エバンス(トヨタ ヤリス WRC)3h38m26.2s
2位 D.ソルド(ヒョンデ i20クーペ WRC)+28.3s
3位 S.オジェ(トヨタ ヤリス WRC)+1m23.6s
4位 勝田貴元(トヨタ ヤリス WRC)+2m28.4s
5位 G.グリーンスミス(フォード フィエスタ WRC)+4m52.7s
6位 A.フルモー(フォード フィエスタ WRC)+5m03.4s
7位 E.ラッピ(フォルクスワーゲン ポロ GTI R5) +9m37.2s
8位 T.スニネン(フォード フィエスタ WRC)+11m20.0s
9位 M.オストベルグ(シトロエン C3 ラリー2)+12m01.5s
10位 N.グリアジン(フォルクスワーゲン ポロ GTI R5) +12m35.8s