2022年5月19日、スバルは航空宇宙カンパニー宇都宮製作所において製造中の陸上自衛隊 新多用途ヘリコプター「UH-2」量産初号機の初飛行を実施した。

陸上自衛隊への納入に向け今後も飛行試験を実施

スバルは自動車製造だけでなく、そのルーツである「中島飛行機」の技術とスピリットを航空宇宙カンパニーが受け継ぎ、旅客機の部品やヘリコプターの開発および製造などを行っていることは、知っている人も多いことだろう。

画像: スバル・ベル 412シリーズの最新モデル「412EPX」の1号機は、警察庁経由で岩手県警へ納入された。

スバル・ベル 412シリーズの最新モデル「412EPX」の1号機は、警察庁経由で岩手県警へ納入された。

スバルは米国のベル・エキストロン社と共同で「412シリーズ」と呼ばれる民間向けのヘリコプターを開発し、この機体を共通プラットフォームに、陸上自衛隊向けの仕様を織り込んで開発・製造された機体が、今回の「UH-2」だ。2018年に試作機の飛行試験を開始し、2019年に試作機を防衛省に納入、各種試験が実施され、そのフィードバックを基に完成した量産初号機が初飛行するにいたった。

陸上自衛隊の迷彩色に塗装されたUH-2の量産初号機は、2022年5月19日(木)の午前に、スバルのテストパイロットの操縦により宇都宮飛行場を離陸し、約30分間、周辺空域において飛行したのち、無事に同飛行場へ着陸した。

画像: テスト飛行中の「UH-2」量産初号機。

テスト飛行中の「UH-2」量産初号機。

UH-2の主要諸元は機密事項となるため公開されていないが、民間向けである412シリーズのものは公表されているので、参考までに以下に表記しておこう。今後は、陸上自衛隊への納入に向け、引き続き各種社内飛行試験を実施していく。

なお、スバルでは防衛省向け事業と合わせ、民間向けの412シリーズの製造・販売も推進し、警察や消防、防災などの用途を中心に世界各国での展開を目指している。

画像: 「UH-2」の飛行イメージ。

「UH-2」の飛行イメージ。

■スバル・ベル 412EPX 主要諸元

●全長:17.1m(胴体長:13.1m)
●全高:4.6m
●ローター直径:14m
●空虚重量:3091kg
●乗員+乗客数:1+14名
●キャビン容積:6.2立方メートル
●燃料タンク容量:1251L
●最大速度:259km/h
●最大巡航速度:228km/h
●航続距離:669km
●最大飛行時間:3.8時間

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