ジープオーナーの平均年齢は他ブランドよりも若い
ジープの2021年暦年(1月〜12月)新規登録台数は1万4294台。前年比で105.2%、ブランド別では9位にあたり、ステランティスグループではトップだ(ちなみに、プジョーは10位)。この数値は、2010年の1919台から7.4倍以上にも増えている。2021年11月に受注を開始したピックアップトラックの「グラディエーター」は、3カ月で400台を受注した。そんなジープ人気の秘密は、どこにあるのだろうか。
まず、ジープオーナーの平均年齢は40代前半くらい。これは、他の輸入車オーナーの平均(40代後半)に比べてかなり若いのだという。SUVを専門に作っているジープというブランドと、アウトドアでレジャーやスポーツを楽しむオーナー層とが、うまくリンクしているのだろう。
かつてのアメリカ車は「ニッチで安っぽい」クルマで、一部の好き者しか乗らないというイメージが強かった。だが、ジープはモデルチェンジのたびにクオリティアップを図り、評価を高めていく。ブレークが始まったのは、2007年に発表されたラングラー(JK型)からだろう。4ドアモデルのアンリミテッドも加わり、本格的なオフローダーながらファミリーでも使える。2010年には車両価格の見直しも図られ、国産車からの乗り換え需要も増えてきた。ちなみに、国産車ではトヨタのSUVからの乗り換えが多いが、一般的なセダンやワゴンからも少なくないという。
そして2018年に発表された現行型ラングラー(JL型)で人気はさらに加速する。従来型からシルエットを大きく変えずに改善されたことから、車両価格が上昇したにもかかわらず登録台数は伸びていった。いまや、日本で販売されるジープ車の約4割はラングラーが占めているのだ。半導体不足などの影響もあり、現在でも2000台くらいのバックオーダーを抱えている状態だという。
ラングラーに次いで人気が高いのが、2015年に発表されたレネゲードだ。ラングラーの弟分的スタイルながら、日本で扱いやすいサイズ感もあり、女性オーナーを増やした。ジープというと男性オーナーのイメージが強いが、レネゲードでは約3割が女性オーナーだという。また、2021年に日本デビューしたグランドチェロキーLは初の3列シートを採用したこともあって、国産の大型ミニバンから乗り換える人も増えているようだ。