ボルボ60/90シリーズのフラッグシップであるリチャージ プラグインハイブリッドが改良された。その特徴のひとつはバッテリー容量拡大によりEV走行距離を伸ばしたことだ。この改良はPHEV車にどんな効果をもたらすのか。EV走行を中心にレポートする。(Motor Magazine 2022年7月号より)
チャージモード、パワーモードもしっかりチェック
そこで今度は「チャージモード」を選択。するとエンジンが始動し、メーターパネル右側の電池マークがしずくに切り替わる。これがエンジン稼働の印となる。バッテリーのチャージ量は、道路状況や乗り方、回生具合にもよるが、高速道路と一般道を約1時間の走行で20km程度回復した。
そのあとはワインディング路を中心に「パワーモード」を試したが、アクセルペダルを強く踏み込んだときの加速感は強烈のひと言。システム総合出力は462psもあるので当然ではあるのだが、モーターやバッテリーによる重量増をものともしない機動力も持ち合わせている。しかも4WDなのでトラクションはもちろん挙動も常に安定していて安心感がある。
電気のみで走れば限りなくBEVに近く、ガソリンと電気をバランス良く使って移動することもできるPHEV。いいとこ取りの一台だが、改良版PHEVの洗練された走りと完成度の高さは選ぶ価値がある。(写真:伊藤嘉啓)
ボルボ V90 リチャージ プラグイン ハイブリッド T8 AWD インスクリプション主要諸元
●全長×全幅×全高:4945×1890×1475mm
●ホイールベース:2940mm
●車両重量:2130kg
●エンジン:直4DOHCターボ+モーター
●総排気量:1968cc
●最高出力:233kW(317ps)/6000rpm
●最大トルク:400Nm/3000-5400rpm
●モーター最高出力:前52kW、後107kW
●モーター最大トルク:前165Nm、後309Nm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:プレミアム ・60L
●WLTCモード燃費:14.5km/L
●タイヤサイズ:245/40R20
●車両価格(税込):1054万円