アウディ第三のBEV「Q4 e-tron」の本格的なデリバリーは2022年秋以降となるが、すでにディーラーのロードショー向けに欧州仕様車が数台、日本へ上陸している。今回は、そんなQ4 40 e-tronの欧州仕様車に短時間ではあるが、試乗する機会を得た。(Motor Magazine 2022年7月号より)

アウディ初の1モーター、後輪駆動のBEV

BEVの展開に積極的なアウディにまた1台、魅力的なモデルが加わった。Q4 eトロンである。これでアウディの日本におけるBEVラインナップは、eトロンシリーズ、eトロンGTシリーズ、そしてこのQ4 eトロンシリーズの3シリーズ6モデルとなる。

画像: ステアリングホイールはトップとボトム部分がフラットな形状。センターコンソール部分のシフターは専用デザイン。

ステアリングホイールはトップとボトム部分がフラットな形状。センターコンソール部分のシフターは専用デザイン。

今回は、Q4 eトロンの欧州仕様車に試乗する機会に恵まれた。まずはこのモデルの概要を記す。全長4588mm、全幅1865mm、全高1632mm、ホイールベース2764mm、車両重量は2050kgである。バッテリー容量は82.0kWh、150kW/310Nmを発生する電気モーターを1基搭載し、後輪を駆動する。

Q4 eトロンは、設定価格も599万円からと、とても戦略的。本気でBEVを売ろうということだろう。ちなみに競合BEVの価格はBMW iX3が862万円〜、メルセデス・ベンツ EQAが733万円〜である。ボルボC40リチャージはまったく同価格となる599万円〜となる。eトロン 50 クワトロが935万円〜なのでアウディのBEVの敷居がかなり低くなったように感じられる。

ちなみにQ4 eトロンとeトロンの違いは、ボディサイズとモーター数、バッテリー容量、駆動方式、そして価格となる。アウディの価格帯を考えると、特別なBEVというより、Q3(460万円〜)とQ5(707万円〜)の中間と言っていいかもしれない、なかなか絶妙なポジションだ。

日本へのローカライズが楽しみなBEVである

今回試乗したQ4 eトロンは欧州仕様であり、細部は日本仕様とは異なっているが、エクステリアやインテリアの雰囲気、そして走行性能に大きな違いはないと思えた。

画像: 最高出力150kW(204ps)、最大トルク310Nmを発生するモーターを1基搭載し、後輪を駆動するRWDだ。

最高出力150kW(204ps)、最大トルク310Nmを発生するモーターを1基搭載し、後輪を駆動するRWDだ。

走り出しは、BEVらしく振動やショックのないスムーズなもの。速度を上げていっても室内は静粛そのもので、聞こえてくるのは、ほぼタイヤからの走行音のみである。コーナリング時も重量物のバッテリーがボディ下に敷き詰められているので低重心かつスポーティな走行フィールだ。

試乗車は21インチタイヤを装着するが、荒れた路面でもショックが上手く丸められていて、乗り心地そのものもとてもコンフォートだ。ちなみに標準は19インチタイヤとなる。

インテリアは、とくに未来感の過剰な演出はなく、アウディらしさに溢れる。メーターは10.25インチ、センターには11.6インチのディスプレイを採用、いつも見るアウディそのものだ。

Q4 eトロンは、2022年秋頃から本格的なデリバリーが始まるという。日本市場でどのように受け入れられるのか、楽しみである。(写真:永元秀和)

アウディQ4 40 e-tron S Line 主要諸元

●全長×全幅×全高:4588×1865×1632mm
●ホイールベース:2764mm
●車両重量:2050kg
●モーター最高出力:150kW
●モーター最大トルク:310Nm
●バッテリー総電力量:82.0kWh
●駆動方式:RWD
●タイヤサイズ:前235/55R19、後255/45R21
●車両価格(税込):689万円

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