日本のMPVにはスライドドアが必需品か
やはり、世界的に続くSUVブームの影響は大きいようだ。セダンやワゴンより人と荷物を積んでも快適に走ることができるのに加えて、高い走破性を誇るSUVのほうが、ミニバンやコンパクトMPVより人気を集める。BMWが2シリーズ アクティブツアラーをSAT(スポーツ アクティビティ ツアラー)と呼んでいるのは、運動性能も重視されるヨーロッパらしいといえるだろう。
もうひとつ、日本市場ではミニバンにもコンパクトMPVにも求められる装備は、スライドドアだ。いまやミニバンはもちろん、軽自動車のハイトワゴンでもスライドドアは必需品であり、この利便性を味わってしまうと、普通のスイングドアには戻れないというユーザーも多い。日本では子どものころからスライドドアのクルマしか乗っていないため、自分のクルマを購入するときはスライドドアのクルマしか眼中になかった、という例も多く聞く。
ルノーのコンパクトMPV、カングーの人気が日本で高いのは、適度なサイズやスタイルの可愛さもあるが、スライドドアや観音開きのテールゲートによる使い勝手の高さもある。現行型の販売は終了し、フルモデルチェンジされた新型は2022年後半には導入されるようだが、一新したスタイルで日本での人気はどうなるだろうか。
また、カングーの姉妹車となるメルセデス・ベンツ Tクラスも日本導入が噂されている。カングー同様スライドドアを採用しながらメルセデス・ベンツらしいハイクオリティのコンパクトMPVは、ポスト Bクラスになるかもしれない。ただし、ドイツ本国では商用車扱いなのだが・・・。
新型BMW 2シリーズ アクティブツアラーは、本国での販売はなかなか好調だという。従来型にラインナップされていたプラグインハイブリッド車も、2022年中には本国で発表されるようだ。日本市場では微妙な立ち位置にあるが、BMWならではの走りの楽しさや充実した装備で、ファーストBMWとしてもオススメできるモデルだ。
SUVやミニバン人気の続く日本で、コンパクトMPVのイメージリーダーを目指す2シリーズ アクティブツアラーの健闘に期待したい。
■BMW 218i アクティブツアラー 主要諸元
●全長×全幅×全高:4385×1825×1580mm
●ホイールベース:2670mm
●車両重量:1530kg
●エンジン:直3 DOHCターボ
●総排気量:1498cc
●最高出力:115kW(156ps)/5000rpm
●最大トルク:230Nm(23.5kgm)/1500−4600rpm
●トランスミッション:7速DCT
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:プレミアム・54L
●WLTCモード燃費:14.1km/L
●タイヤサイズ:205/60R17
●車両価格(税込):418万円