2022年6月19日(日本時間20日)、 F1第9戦カナダGP決勝がモントリオールのジル・ヴィルヌーヴ・サーキットで行われ、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がカルロス・サインツ(フェラーリ)の猛攻を抑えて優勝を飾った。3位にはメルセデスのルイス・ハミルトンが入った。パワーユニットエレメント交換のペナルティで19番グリッドからスタートしたシャルル・ルクレール(フェラーリ)は、5位入賞が精一杯だった。

序盤はフェルスタッペンが順調に主導権を握る

フェルスタッペンがポールポジョンから絶妙のスタートで飛び出して主導権を築いていたレース展開が動いたのは9周目、チームメイトのセルジオ・ペレスが突然ストップしてからだった。

マシンを排除するために出されたVSC(バーチャル・セーフティカー)を機にフェルスタペンはミディアムからハードへのタイヤ交換を済ませたが、2番手を走るサインツはステイアウト、フェラーリの首位が2度目のVSCが出る21周目まで続いた。

サインツの1回目のタイヤ交換で首位に返り咲いたフェルスタッペンだが、そのままフィニッシュまで走り切ることはできず、43周目に2度目のピットインで再びサインツの12秒後方に後退。残り周回を考えればサインツにも2回目のタイヤ交換が予想され、フェルスタッペンが圧倒的に優位な状況かと思われた。

画像: 序盤はフェルスタッペンが順調に主導権を握る
画像: ポールポジションから好ダッシュを見せたフェルスタッペンがレースをリード。

ポールポジションから好ダッシュを見せたフェルスタッペンがレースをリード。

セーフティカーが演出した終盤の一騎打ち、フェルスタッペンが逃げ切り6勝目

ところが49周目、最後尾からポイント争いまで食い込んで来ていたアルファタウリの角田裕毅が2回目のタイヤ交換を済ませたピット出口で痛恨のコースアウト。セーフィティカーを出動させてしまう。

この機に2回目のタイヤ交換に飛び込んだサインツはタイムロスを最小限に留めることが可能となり、セーフィティカー走行中に三たび首位に立ったフェルスタッペンの直後でのコース復帰に成功する。

残り20周はフェルスタッペンとサインツのマッチレースとなった。使用履歴で6周のアドバンテージとDRSを利して攻めまくるサインツに対し、フェルスタッペンはレッドブルの直線スピードを活かして必死の防戦。1秒以内の緊迫戦が最終ラップまで続いたが、最後は王者の貫禄が優った。

最後までサインツを抑え切って前戦に続く連勝、シーズン6勝目を飾ったフェルスタッペンは「フェラーリのレースペースが良くてずっと厳しい戦いだった。最後はサインツに攻められたけど、ストレートが速かったので助かった」とレース直後に安堵のコメント。

これで無得点に終わったペレスとの差を46点、パワーユニットエレメント交換のペナルティで19番グリッドから追い上げたものの5位入賞が精一杯だったフェラーリのシャルル・ルクレールとの差を49点にまで広げ、ドライバーズ選手権で独走状態となっている。

なお、2番グリッドからスタートしたフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)は7位でフィニッシュしたものの、進路妨害のため5秒のタイムペナルティを受けて9位となった。

画像: 9戦目にして早くも今季6勝目をあげたフェルスタッペン。2年連続チャンピオンに向けて順調にポイントを重ねる。

9戦目にして早くも今季6勝目をあげたフェルスタッペン。2年連続チャンピオンに向けて順調にポイントを重ねる。

タイヤを供給するピレリはレースを終えて「土曜日(予選・雨天/曇天)から一転、再び陽が降り注ぎ、気温25度、路面温度40度と上がったこともあり、2ストップが優勝戦略となりました。予想どおり、ほとんどのドライバーはミディアムタイヤでスタートしましたが、5人はハードでスタートしました。優勝を争ったマックス・フェルスタッペンとカルロス・サインツの戦略は同じですが、バーチャルセーフティカーとフルセーフティカーの影響を受けてタイミングが少し異なり、エキサイティングな戦いが繰り広げられました」とコメントしている。

画像: カナダGPのタイヤ戦略。バーチャルセーフティカー、セーフティカーが出たこと、気温が上がったことで2ストップが勝利戦略となった。

カナダGPのタイヤ戦略。バーチャルセーフティカー、セーフティカーが出たこと、気温が上がったことで2ストップが勝利戦略となった。

次戦第10戦イギリスGPは、7月1日、ノーザンプトンシャーのシルバーストン・サーキットで開幕、7月3日に決勝が行われる。

2022年F1第9戦カナダGP決勝 結果

1位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル)70周 
2位 55 C.サインツ(フェラーリ)+0.993s
3位 44 L.ハミルトン(メルセデス)+7.006s
4位 63 G.ラッセル(メルセデス)+12.313s
5位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+15.168s
6位 31 E.オコン(アルピーヌ・ルノー)+23.890s
7位 77 V.ボッタス(アルファロメオ・フェラーリ)+25.247s
8位 24 周冠宇(アルファロメオ・フェラーリ)+26.952s
9位 14 F.アロンソ(アルピーヌ・ルノー)+29.945s
10位 18 L.ストロール(アストンマーティン・メルセデス)+38.222s
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15位10 P.ガスリー(アルファタウリ・レッドブル)+52.145s
リタイア 22 角田裕毅(アルファタウリ・レッドブル)
リタイア 11 S.ペレス(レッドブル)
ファステストラップ: 55 C.サインツ(フェラーリ)1:15.479

2022年F1ドライバーズランキング(第9戦終了時)

1位 M.フェルスタッペン(レッドブル)175
2位 S.ペレス(レッドブル)129
3位 C.ルクレール(フェラーリ)126
4位 G.ラッセル(メルセデス)111
5位 C.サインツ(フェラーリ)102
6位 L.ハミルトン(メルセデス)77

2022年コンストラクターズランキング(第9戦終了時)

1位 レッドブル 304
2位 フェラーリ 228
3位 メルセデス 188
4位 マクラーレン・メルセデス 65
5位 アルピーヌ・ルノー 61
6位 アルファロメオ・フェラーリ 47
7位 アルファタウリ・レッドブル 27

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