グレード体系をA110、A110GT、A110Sの3グレードに改変
いまさらモンテカルロラリーなど世界ラリー選手権(WRC)での勝利やル・マン24時間レース、F1での活躍を引き合いに出さなくても、アルピーヌのクルマづくりにはモータースポーツのDNAがとても濃く現れている。
それはA110に試乗すると、クルマの至る所から感じられるのである。そして、サーキットを走りたくなる気にさせるのだ。今回、改良が施されたA110のハンドルを握った時も「思う存分、走らせてあげたい」と思ってしまった。
A110の改良点は、グレード体系だ。これまでのピュア/リネージュ/Sから、A110/A110 GT/A110 Sという3グレードに変わったのだ。さらにA110 GTは最高出力48ps/最大トルク20Nm、A110Sは8ps/20Nmアップされている。
3グレードを簡単に整理すると
【A110】最高出力252ps/6000rpm、最大トルク320Nmm/2000rpm、0→100km/h加速4.5秒、「アルピーヌシャシー」、車両重量1110kg
【A110GT】最高出力300ps/6300rpm、最大トルク340Nm/2400rpm、0→100km/h加速4.2秒、「アルピーヌシャシー」、車両重量1130kg
【A110S】最高出力300ps/6300rpm、最大トルク340Nm/2400rpm、0→100km/h加速4.2秒、「シャシースポール」、車両重量1120kg
ちなみにA110は全車、ボディを含む全体の約96%がアルミ製となり軽量化され、前後重量配分は理想に近い44対56となっている。サスペンションは、前後ともにダブルウイッシュボーンを採用するが、これはタイヤの接地性に優れるからである。
今回の改良では、3グレードの特徴も明確にされ、A110は俊敏性と快適性をバランス、A110 GTはまさしくグランドツーリングを楽しむため、そしてA110 Sは、クローズドコースでのパフォーマンスの追求という個性が与えられた。
搭載するのは、1.8L直4ターボエンジンである。これをミッドシップとすることやダンパー内にセカンダリーダンパーを備えたハイドリックコンプレッションストップを採用するといったところは、従来から変更はない。
メインで試乗したのは、A110S。鮮やかなオレンジのボディカラーとブレーキキャリパーがとても印象的である。