2022年4月に開催されるはずだった北京モーターショーで、アウディが発表を予定していたコンセプトカーが「アーバンスフィア コンセプト」である。これは2021年に発表した「スカイスフィア」、そして「グランドスフィア」に続く第三のモデルで、いずれもレベル4自動運転システムの装備を想定したショーファーカーである。(Motor Magazine 2022年8月号より)

中国マーケット向けに開発したコンセプトモデル

2021年8月のペブルビーチに出品した「スカイスフィア」は2シーターオープンのグランドツーリングカー、さらに同年9月のミュンヘンIAAにおける「グランドスフィア」は4座席のフューチャーリムジンであった。

そして今回登場したアーバンスフィアはモデル名のとおり、都市内でのラウンドアバウトを考慮して開発されている。通常市街地の移動を考えると小さなコミューターが候補に挙がる。しかし、このアーバンスフィアの全長は5.51mもある。

これはアウディA8のロングバージョンより32cmも長く、高さはQ8より8cmも高い。また幅は2.01mでA8やQ8とほぼ同じだ。すなわち道路専有面積は11平方メートルもあって、どう考えても都市内の移動向きとは考えられない。たとえ後輪操舵を装備しても取り回しに苦労するだろう。

なぜ、このようなサイズが「アーバン」なのだろうか? それはこのコンセプトモデルが中国向けで、中国の顧客グループと意見交換を行いながら開発したからである。

画像: フロントグリルに配置されたLEDの多彩な発光パターンで車外の人やクルマとコミュニケーションを取る。

フロントグリルに配置されたLEDの多彩な発光パターンで車外の人やクルマとコミュニケーションを取る。

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