極上のサーキットスペックが与えられながら、公道走行も可能な超ハイパフォーマンス・スポーツモデル。それがポルシェ911 GT3 RSだ。2022年8月17日、ポルシェはその最新バージョンをワールドプレミアした。空力性能を磨き抜いた新型の存在感は、完全にレーシングマシンだ。

モータースポーツにインスパイアされたアクティブエアロダイナミクス

「え? あのクルマ、なんでナンバーがついてるんだろう・・・」

欧州ならばともかく、日本の公道でこの大胆不敵なエアロフォルムを見かけたなら、真っ先にそう思ってしまう人は決して少なくないことだろう。そもそもがピュアレーサーであるGT3 Rの血統とは言え、そのロードゴーイングバージョンというだけではおよそ納得しきれないほどの徹底したエアロアレンジには正直、圧倒される。

それもそのはず。新しい911 GT3 RSには、空力性能向上に対するポルシェの、並々ならないこだわりがメガを通り越してギガ盛り状態なのだ。なにを差し置いても真っ先に目につくのは、スワンネックで支えられたリアウイングだ。圧倒的なサイズ感とともに、油圧調整可能なエレメントが上部に設定されていることで、独特の機能美を感じさせる。

画像: 吸気口の後ろにあるサイドブレードは、空気の流れをスムーズに車体側面へと導くもの。センターラジエーターからの気流は、フロントリッドの大きなダクトから排出される。ルーフ部のフィンは空気を外側に流し、リアのに導入される空気の温度を下げる効果もあるという。

吸気口の後ろにあるサイドブレードは、空気の流れをスムーズに車体側面へと導くもの。センターラジエーターからの気流は、フロントリッドの大きなダクトから排出される。ルーフ部のフィンは空気を外側に流し、リアのに導入される空気の温度を下げる効果もあるという。

ウイング上端が車体ルーフ部よりも高くなっていることやドラックリダクションシステム(DRS)の搭載など、ポルシェの量産車としては初めての機能も数多い。ル・マンで優勝した象徴的な911 GT1のスタイルを継ぐ前輪のエアインレットに加え、やはりル・マンでクラス優勝を果たした911 RSR譲りの大型センターラジエーターを採用する。w

ノーズセクションのふたつのサイドエアインテークと調整可能な2セクションリアウイングなどの空力制御によって、200 km / h走行時には409 kgのダウンフォースを発揮、時速285kmでは実に860kgに達する。‎これは、現行のGT3に対しては3倍のダウンフォースが生み出されていることを意味すると言う。

‎もしかするとこれが最後の高回転型自然吸気ボクサーエンジン

搭載される4L 水平対6気筒自然吸気エンジンは、911 GT3と比較してもさらにハイスペックに進化している。最高出力は386kW(525PS)にアップ。カムシャフトのプロファイルの変更に加え、シングルスロットルインテークシステム、リジッドバルブドライブなど、モータースポーツ由来のテクノロジーが採用されている。

画像: アルミホイールはセンターロックタイプ。前275/35 R 20、後335/30 R21のスポーツタイヤは、ハイレベルなグリップを発揮しながらも、公道での日常走行にも対応している。タイヤ空気圧監視システムは、サーキットモード付。

アルミホイールはセンターロックタイプ。前275/35 R 20、後335/30 R21のスポーツタイヤは、ハイレベルなグリップを発揮しながらも、公道での日常走行にも対応している。タイヤ空気圧監視システムは、サーキットモード付。

7速ポルシェ・ドッペルクップルング(PDK)は、911 GT3よりも全体的なギア比が短い。アンダーボディに設定されたエアインテークを介した効率的な冷却によって、トランスミッションはトラック上で過酷なストレスにも耐えることがでる高い耐久性を実現した。ちなみに0→100km/h加速は3.2秒で、7速で最高速度は296km/hに達する。‎

‎制動性能も、速さの向上に見合ったグレードアップが図られている。フロントアクスルには、それぞれ6つのピストンを備えたアルミニウムモノブロック固定キャリパーブレーキと直径408mmのブレーキディスクを採用。911 GT3と比べると、ピストンの直径は30mmから32mmに拡大されている。さらに、ディスクの厚さは34mmから36mmに増加した。‎

‎軽量化の徹底は、コクピットにも。ヴァイザッハパッケージも選択可能

‎CFRPの積極的使用など徹底的な軽量化によって、911 GT3 RSは数多くの空力コンポーネンツが追加されているにも関わらず、車両重量はわずか1,450kg(DIN)に収まっている。軽量CFRPは、スタンダードなフルバケットシートなど、インテリアにも使用される。

画像: CFRP製軽量フルバケットシートを標準装備。前後スライドとシート高は電動アジャストタイプとなる。

CFRP製軽量フルバケットシートを標準装備。前後スライドとシート高は電動アジャストタイプとなる。

‎インテリアに関しては、ブラックレザー、ラセテックス、カーボンファイバーパーツなど、ピュアスポーツの雰囲気が満ち溢れている。スチールロールオーバーバー、ハンドヘルド消火器、ドライバー用の6点式シートベルトなどを含む、クラブスポーツパッケージは、追加料金なしで装着が可能だ。

‎さらに、軽量化を徹底したヴァイザッハパッケージも設定。カーボンファイバーパーツの多用に加え、CFRPパーツも効果的に採用している。新しい911 GT3 RSではロールオーバーバーも初めてCFRPによって構成、スチールバージョンと比較して約6kgの軽量化につながっている。‎

‎ヴァイザッハパッケージを選ぶもうひとつのポイントは、モータースポーツ由来のマグネット技術を搭載したPDKシフトパドルだ。これによりドライバーは、よりダイレクトで正確なシフトフィールを感じることが可能になり、さらにダイナミックなシフトコントロールに没頭することができるという。

なお、ポルシェジャパンは8月18日、新型911 GT3 RSの予約受注を開始した。価格は3134万円となっている。

■ポルシェ911 GT3 RS主要諸元

●全長×全幅×全高:4572×1900×1322mm
●ホイールベース:2457mm
●車両重量:1450kg
●エンジン:水平対向6DOHC
●排気量:3996cc
●最高出力:386kW(525ps)/8500rpm
●最大トルク:465Nm/6300rpm
●燃料・タンク容量:プレミアム・64L
●トランスミッション:7速PDK
●駆動方式:RR
●タイヤサイズ:前 275/30ZR20・後 335/30ZR21
●最高速:296km/h
●0→100km/h加速:3.2秒
●0→200km/h加速:10.6秒
●車両価格:3134万0000円

画像: Livestream reveal: Presenting the new Porsche 911 GT3 RS youtu.be

Livestream reveal: Presenting the new Porsche 911 GT3 RS

youtu.be

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