再スタート機能も空調優先で文句なし
今回、RVRに採用された新型MIVECエンジンのもうひとつのトピックスは、やはりアイドリングストップ機能が搭載されたことだろう。オートストップ&ゴー(AS&G)と名づけられたそのアイドリングストップシステムは、エンジン同様、ドライバーに違和感を与えないように仕上げられているという。
AS&Gの作動感は狙いどおりといった感覚で、とても自然なものだった。再スタート時のレスポンスも悪くないし、発進時にCVTのショックを感じることもない。とてもスムーズに発進するところは、誰もが違和感なく使えるはずだ。
そして何よりもありがたかったのは、空調がある程度優先されることだった。温度や湿度の変化を察知すると、いったんエンジンが停止してもすぐに再スタートを行うのだ。これなら快適性に不満はないだろう。アイドリングストップにばかりとらわれ、現実離れしているクルマがかなりある状況を考えると、これは実にありがたい制御だといえる。すなわちAS&Gは、より現実的かつ実用的なアイドリングストップだといえるだろう。
このように、新型MIVECエンジンからAS&Gまで充実したRVRではあるが、あと1点、進化した部分がある。それは足まわりだ。必要な反力をしっかりと伝えるステアフィールから、入力をスッと吸収する乗り心地まできちんと磨きこまれていたのには、けっこう驚かされた。
エンジンやアイドリングストップばかりがクローズアップされる今回のマイナーチェンジではあるが、シャシ側に対してもきちんとした煮詰めが行われていたところに三菱のまじめさを感じずにはいられなかった。
■三菱 RVR G 主要諸元
●全長×全幅×全高:4295×1770×1615mm
●ホイールベース:2670mm
●車両重量:1360kg<1430>
●エンジン:直4 SOHC
●総排気量:1798cc
●最高出力:102kW(139ps)/6000rpm
●最大トルク:172Nm(17.5kgm)/4200rpm
●トランスミッション:6速マニュアルモード付きCVT
●駆動方式:横置きFF(4WD)
●燃料・タンク容量:レギュラー・63L<60>
●JC08モード燃費:15.8km/L<15.4>
●タイヤサイズ:215/60R17
●当時の車両価格(税込):224万円<246万円>