2022年8月19日(現地時間)、ブガッティは新型ロードスター「W16 ミストラル(Mistral)」を発表した。2005年に発表された「ヴェイロン」以来、搭載され続けたW16エンジンは、このミストラルが最後の搭載モデルになるという。

その名は地中海に吹く強力な風に由来する

画像: ブガッティ伝統の馬蹄形グリルは立体的なデザイン。ヘッドランプは垂直的に配置されている。

ブガッティ伝統の馬蹄形グリルは立体的なデザイン。ヘッドランプは垂直的に配置されている。

この新しいロードスターには、シロンの発展形でなく、自由、エレガンス、そしてスピードを連想させる名前が求められた。そこで、ローヌ川渓谷から南フランスのコートダジュールを抜けて地中海へと吹く強力な風「ミストラル」から命名された。かつて、マセラティや日産にも同名のモデルがあったが、そのあたりは問題なかったようだ。

シロン スーパースポーツ 300+譲りの1600psを発生する8LのW16エンジンが搭載されたW16 ミストラルは、これまでのどんなロードスターとも異なるパフォーマンスを見せる。そのデザインとエンジニアリングは完全にオーダーメイドだ。既存のモノコックは、新しいオープントップ デザインのためにAピラーの上で単純に切り取られるのではなく、パフォーマンスを損なうことなく、より丸みを帯びたシルエットを作成するために再設計および再形成された。

W16 ミストラルは、1934年製のブガッティ タイプ57 ロードスター グランドレイドをインスパイアしたカラーでデビューした。トリュフブラウンのほのかな暖かみのある黒と、全体に微弱な黄色のアクセント。これは、タイプ41 ロワイヤルを含む多くの個人的な所有車に黒と黄色の組み合わせを選んだ創業者、エットーレ・ブガッティへのオマージュでもある。

画像: ウインドーのトップからサイドのエアインテークに流れるラインが美しい。

ウインドーのトップからサイドのエアインテークに流れるラインが美しい。

Aピラーを包み込むように見える湾曲したフロントガラスは、サイドウインドーにシームレスに溶け込み、バイザー効果を生み出している。フロントガラス自体はドライバーの視界をゆがめることなく、丸みを帯びたバイザーのデザインを作成するのに十分なほど湾曲している。フロント&サイドウインドーのトップラインは、サイドのエアインテークに沿って流れている。このキャラクターラインはサイド ウインドガラスの下に戻り、フロントの馬蹄形グリルまで流れ、シロンに導入された有名なブガッティのCラインを新しい立体的なキャラクターで生み出している。

コクピット背後に備わる2つのエアスクープは、タイプ57 ロードスター グランドレイドと、近代ブガッティ最初のオープントップ モデル、ヴェイロン 16.4グランドスポーツをオマージュしたもの。しかもこのエアスクープは、万が一横転した場合に車両の全重量を支えられる特注のカーボンファイバーで作られている。

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