ステルヴィオよりひとまわり小型となるアルファロメオの新型SUV、トナーレへの期待が高まっている。何より興味深いのは、ハイブリッド仕様であることだ。新時代の幕を開けるであろうモデルの印象をお伝えしよう。(Motor Magazine2022年9月号より)

心を火照らす、爽快感たっぷりのハンドリング&エンジンの吹け上がり

トナーレ ハイブリッドは、どの視点から見るかによって評価が変わるクルマかも知れない。「アルファロメオである」という点から述べるなら、間違いなくアルファだな、と思えて僕は嬉しかった。

画像: ディスプレイ式のメーターパネルだが、そのフード形状はいかにもアルファロメオらしいデザイン。細部でも「らしさ」を重視。(Coming Soon 2022年末日本導入予定)

ディスプレイ式のメーターパネルだが、そのフード形状はいかにもアルファロメオらしいデザイン。細部でも「らしさ」を重視。(Coming Soon 2022年末日本導入予定)

試乗したのはDCTにモーターを組み込んだ前輪駆動モデルで、いわゆるマイルドハイブリッドながら20km/h程度までの速度域ではモーターのみで走ることも多く、電動化車両であることは感じられる。しかし、「アルファロメオ」と聞いて多くの人がパッと連想する「鮮烈なスタイリング」「心ときめくドライビングフィール」「技術陣の熱さ」のようなものを、ちゃんと持ち合わせている。

何よりハンドリングだ。少々クイックなステアリングギア比と若干シャープなディメンジョンのシャシの組み合わせを、低く前下がりなロール軸で味付けするという技を見せ、曲がり始めたらグイグイとアンダーステア知らずかのように曲がっていく。

その鮮やかさは快感だ。エンジンはシャープでよく回るし、たっぷりと爽快で、すっぱりと楽しく、しゃっきりと気持ちいい心の火照るスポーツSUVの仕上がり。これがアルファロメオじゃなくて、何なのだ?

さらにコンパクトなSUVも噂されているが、まずは本年末のトナーレ日本上陸と、その後のPHEVモデルを待つことにしよう。(文:嶋田智之/写真:ステランティス)

画像: 気軽に楽しめるアルファロメオとしてトナーレに関心を持つユーザーは多そうだ。

気軽に楽しめるアルファロメオとしてトナーレに関心を持つユーザーは多そうだ。

■アルファロメオ トレナーレ ハイブリッド VGT 160主要諸元

●全長×全幅×全高:4528×1841×1601mm
●ホイールベース:2636mm
●車両重量:1600kg
●原動機種類:直4ターボ+モーター
●総排気量:1469cc
●最高出力:118kW(160ps)/rpm
●最大トルク 240Nm/rpm
●トランスミッション:7速DCT
●駆動方式:FF

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