オラチオ・パガーニが率いるハイパーカー メーカーのパガーニ アウトモビリは、ニューモデル「ユートピア(Utopia)」をイタリア ミラノで世界初公開した。パガーニらしさをしっかり残しながらも、洗練されたプレミアム感を漂わせている。

パガーニ「C10」プロジェクトの正式名称は「ユートピア」

パガーニの「C10」プロジェクトと呼ばれていた新しいハイパーカーが、ついにワールドプレミアされた。ちなみに、ゾンダはC8、ウアイラはC9という開発プロジェクト名だった。

画像: パガーニの新たなハイパーカー、「ユートピア」。デザイン的には、すっきりとしたクリアなたたずまいだ。

パガーニの新たなハイパーカー、「ユートピア」。デザイン的には、すっきりとしたクリアなたたずまいだ。

オラチオ・パガーニはC10の開発にあたって、彼のクライアントに「ハイパーカーには何が重要か?」を尋ねた。すると、「非常に速くて美しいクルマ、だが重いバッテリーやハイブリッドシステムは要らない。ドライバーのあらゆる行動にこれまで以上に反応し、ドライバーと協力して最も純粋になるクルマ」という答えが得られた。つまり、新しい方法で定義された古典的な体験なのだ。

そこで、この新しいハイパーカーには、われわれが夢見る理想的な場所、過去には存在しなくても未来には存在するであろう「理想郷=ユートピア(Utopia)」という名称が与えられた。

ユートピアのスタイルは、すべてのパガーニ車と同様、美的な衝撃を与える。他のクルマとは、まったく違う。しかもシンプルだ。より流麗で曲線的なフォルム。フロントガラスから丸みを帯びたアッパーエッジ、ウイングとボンネットの細部に至るまで、柔らかな輪郭が新しい表情や新しい輪郭を与えられている。

パーツのひとつひとつがジュエリー級の美しさ

それはまさに、時代の流行に従うのではなく、時代を超越したデザインオブジェクトだ。エアロデバイスはほとんどないが、これまで以上に空力性能は高められている。

画像: ユートピアを真上から見ると、コークボトルのスタイリングを採用しているのが分かる。

ユートピアを真上から見ると、コークボトルのスタイリングを採用しているのが分かる。

外寸などの詳細なスペックは公表されていないが、スタイリングはベスパの流線型ヘッドランプのような、1950年代のオブジェクトにインスパイアされている。鍛造のホイールはタービン形状のカーボンファイバー製パーツでブレーキの熱を逃がし、ボディ下の乱気流を減らす。カーボンセラミックのディスクにマウントされたブレーキキャリパーは軽量化された新デザインのものだ。

あふれんばかりの大トルクを効率よく地面に伝えるタイヤは、ピレリ Pゼロ。前は21インチ、後ろは22インチという大径で、ボディデザインの自由化をもたらしている。

サイドミラーは、翼型のサポートによりボディから離れた位置に配され、空中に吊り下げられているかのようだ。空力的にも優れており、風洞実験によって最適化されたデザインだ。テールランプはリアウイングの側面に浮いており、エア エクストラクターに組み込まれている。いずれのパーツも、宝石商のショーウインドーに飾れるほど美しい細工が施されている。

パガーニのアイデンティティである、チタン製のクワッド エクゾーストも備わる。効率的に放熱するためにセラミック コーティングが施され、単体ではわずか6kgほどの重量しかない。

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