レクサスのコンパクトSUV「UX」が、2018年11月のブランニューデビュー以来初の大幅改良を受け、使い勝手の向上や、グレードごとの走りのテイスト・方向性をより明確にする変更を施された。
今回はラインナップの中でもよりラグジュアリーなモデルに試乗し、レクサス流の上質さを味わった。(Motor Magazine 2022年10月号より)

グレードごとの違いを明確化バージョンLはより柔軟に

L試乗車はそのバージョンL、パワートレーンはハイブリッドの250hという組み合わせだが、従来の印象と比べると確かに乗り心地の良さが際立つものになっていた。

画像: リアゲートの「LEXUS」やリアドアの「HYBRID」エンブレムが廃止に。

リアゲートの「LEXUS」やリアドアの「HYBRID」エンブレムが廃止に。

UXのバージョンLは、デビュー当初から穏やかさを狙ったサスペンション設定としていたが、微小な入力を柔軟に減衰するラジアルタイヤの特性も加わって、街中を走行していると出くわすマンホールや路面の補修痕のような小さなオウトツを、足は心地よく応答して乗員に衝撃を伝えない。

感心するのは大入力時の突き上げに伴う入力音も、しっかり封じ込められていることだ。ラジアルタイヤとはいえ、UXのサイズほどにもなると、そのバネ下の重量も結構なものだが、暴れることなくタイヤはすっきりと路面に追従する。ボディ剛性の強化が奏功しているのか一般速度域でのマナーは、この車格にしてレクサスの名に相応しい品格を備えていた。

一方の高速域で大きな入力があったりすると、ふわんとした上屋の動きに、ちょっと足が柔らかいかなと思うところもなくはない。もちろん挙動が不安定化するような緩さではないが、少なくとも引き締まった乗り味を好みとするのであればFスポーツを選ぶに越したことはないだろう。

ともあれ、この両グレードの味わいの差異がより明瞭になったことは、ユーザーにとって一番の進化のポイントとなるはずだ。個人的には、往年のレクサスの鷹揚さとスッキリ感を巧く両建てした、このバージョンLを選ぶと思う。(文:渡辺敏史/写真:村西一海、井上雅行)

レクサスUX250h“バージョンL”主要諸元

●全長×全幅×全高:4495×1840×1540mm
●ホイールベース:2640mm
●車両重量:1560kg
●エンジン:直4DOHC+モーター
●総排気量:1986cc
●最高出力:107kW(146ps)/6000
●最大トルク:188Nm/4400rpm
●モーター最高出力:80kW(109ps)
●モーター最大トルク:202Nm
●トランスミッション:電気式無段変速機
●駆動方式:FF
●燃料・タンク容量:レギュラー・43L
●WLTCモード燃費:22.8km/L
●タイヤサイズ:225/50R18
●車両価格(税込):519万2000円

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