2022年10月3日、ダイハツ工業(以下、ダイハツ)はタントをマイナーチェンジし、新たなバリエーション「タント ファンクロス(以下、ファンクロス)」を追加設定した。この開発の背景を、ダイハツ くるま開発本部 製品企画部の秋本智行 チーフエンジニアと、営業CS本部 国内商品企画部の岩楯朋子 主任に伺った。

スペーシアギアは、ライバルではない?

画像: ファンクロスは、ミラクルオープンドアをとおして家族と自然をつなぐ、そんなスーパーハイト系を目指している。

ファンクロスは、ミラクルオープンドアをとおして家族と自然をつなぐ、そんなスーパーハイト系を目指している。

アウトドアテイストのスーパーハイト系というと、2018年に登場して人気を集めているスズキ スペーシアギアを思い浮かべてしまう。だが、タントはシリーズ全体として「家族」をコンセプトの中心に置いており、したがってカタログの写真は家族で写っているものが多い。ファンクロスも、ミラクルオープンドアをとおして、家族と自然をつなぐ、そんなスーパーハイト系を目指しているという。

パートナーや友人と2人でアウトドアを楽しむなら、タフトでも十分だし、趣味のものをもっと積みたいなら、アトレーもダイハツには用意されている。ファンクロスは、あくまでも家族が中心のクルマであり、ユーザー層はスペーシアギアなどとは違うのだ。

じつは、タントはオーナーの女性比率の高いクルマで、標準車は7割、カスタムでも6割が女性だという。ファンクロスもアウトドアテイストではあるが、カスタム並みの男女比率になるのではないだろうか。

以前にも書いたのだが、軽自動車の市場はクロスオーバー化が進んでいる。クロスオーバーSUVではなく、本来の意味の「異なる要素が互いの境界線を越えて混じり合ったもの」として、ホンダ N-VAN、スズキ スペーシアBASE/ギア、ダイハツ ムーヴキャンバスやアトレーなど、ジャンルを超えたユニークなモデルが登場することで活性化している。

「ガラパゴス」と揶揄されながらも、与えられた規格の中で進化し続けるニッポンの軽自動車。ファンクロスのようなユニークなモデルは、これからも登場していくに違いない。(写真:井上雅行、ほか)

画像: ダイハツ くるま開発本部 製品企画部の秋本智行 チーフエンジニア(右)と、営業CS本部 国内商品企画部の岩楯朋子 主任。

ダイハツ くるま開発本部 製品企画部の秋本智行 チーフエンジニア(右)と、営業CS本部 国内商品企画部の岩楯朋子 主任。

■タントカスタム RS 主要諸元 <>内はタント ファンクロス ターボ

●全長×全幅×全高:3395×1475×1755<1785>mm
●ホイールベース:2460mm
●車両重量:930<940>kg
●エンジン:直3 DOHCターボ
●総排気量:658cc
●最高出力:47kW(64ps)/6400rpm
●最大トルク:100Nm(10.2kgm)/3600rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:レギュラー・30L
●WLTCモード燃費:21.2<20.6>km/L
●タイヤサイズ:165/55R15
●車両価格(税込):187万円<180万9500円>

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