スーパーSUVのウルスが新たな次元へ進化した
アウトモビリ・ランボルギーニが2022年上半期、つまり1月~6月末時点の販売台数、売上高、利益率のどれもが、半期として過去最高となる新記録を達成したと発表した。世界販売台数は5090台。売上高は億3200万ユーロを記録している。これは前年同期比をなんと30.6%上回っている。さらに営業利益は2億5100万ユーロから4億2500万ユーロへ69.6%も増加した。
ステファン・ヴィンケルマンCEOによると、「地政学的な情勢により不透明な状況が続いていますが、優れた結果を残して上半期を終えることができました。今後の見通しも良好で、2023年に生産予定のすべての商品がすでに完売になりました」と言う。
この好調な業績を支えているのが、スーパーSUVのウルスである。販売比率は全体の61%を占めているのだ。そんなウルスにまた魅力的な1台が加わった。「ウルスペルフォルマンテ」である。このスーパーを超えたハイパーSUVは、ベースとなるウルスの最高出力を向上させた666ps、最大トルクは850NMを発生している。出力アップの一方で、重量は軽量化されたという。
これによりパワーウエイトレシオは3.2kg/psというクラストップレベルを実現、0→100km/h加速は0.3秒速くなり3.3秒、最高速は306km/hである。またこのハイパワー化に併せて制動性能も強化され、100km/hから完全停止するまでの制動距離は32.9である。ところでウルス ペルフォルマンテは、パイクスピークインターナショナルヒルクライムのコースで10分32秒064という市販SUV部門の新記録を樹立し、高性能ぶりを実証している。
そこかしこに光る「アヴェンタドールSVJ」のインスピレーション
ランボルギーニのペルフォルマンテモデルらしさも特徴である。特徴的なデザインとしてカーボンファイバーの軽量ボンネットやエアアウトレットなどクルマ全体にわたりカーボンファイバーが使用され、セグメント最多となるカーボンファイバー部品数を誇る。
エアロダイナミクスも向上している。ブラックに塗られたフロントエアインテークはエンジンを冷却するとともにハイパーSUVらしさを表現している。またリアスポイラーも新デザインが採用され、リアダウンフォースを38%増加させることにひと役買っている。
ウルス ペルフォルマンテは全高が低くなった。これは新しいスチールスプリングの採用による効果である。さらに新しいフロントウイングとリアウイング、そしてバンパーの採用で全長は25mm長くなった。ちなみにカーボンファイバー製リアスポイラーのデザインはアヴェンタドールSVJからインスピレーションを得たもので、ダウンフォースの向上にも貢献している。
「ストラーダ」、「スポーツ」、「コルサ」が用意されるドライブモードは、ペルフォルマンテ用に再セッティングされ、新たに「ラリー」モードも追加された。これはオフロードの走りにも妥協しない表れなのだろう。試乗が楽しみだ。(文:Motor Magazine編集部 千葉知充/写真:アウトモビリ ランボルギーニ S.p.A)
ランボリギーニ ウルス ペルフォルマンテ主要諸元
●全長×全幅×全高:5137×2026×1618mm
●ホイールベース:3006mm
●車両重量:2150kg(DIN)
●エンジン:V8 DOHCターボ
●総排気量:3996cc
●最高出力:490kW(666ps)/6000rpm
●最大トルク:850Nm/2250-4500rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:プレミアム・85L
●タイヤサイズ:前285/40R22、後325/35R22