高速巡航も問題なくこなしてくれる
ステアリングスイッチと全方位モニター用カメラパッケージはセットでメーカーオプション。カーナビはディーラーオプション。
今回、スペーシアBASEを取材用の機材車としても試してみた。ターボもマイルドハイブリッドもないし、高速走行は少しツラいかな・・・と覚悟して乗り出したのだが、意外やその心配は杞憂に終わった。CVTとファイナルギアによる変速比は、5ナンバーのスペーシア（ターボ／ノンターボとも）よりややハイギアード化されている。
それでも、CVTは初期ゲインを強めているのか、街中での発進は元気がいい。発進時はジワッとアクセルを踏んでから滑らかに加速させていくとスマートだ。Sモードも備わっているが、市街地走行では使わずとも走りに不満はない。高速道路では、合流車線からの進入時などに加速するときはCVTならではの回転数を上げて（初めはちょっと加速しないのだが）、少々ノイジーにはなるが、車速が上がってエンジン回転数が落ちれば、思ったよりは静かだ。
タコメーターは付いていないのでエンジン回転数は分からないけれど、高速道路をクルマの流れに乗って走っているかぎりは同乗者と普通に会話できるし、オーディオの音楽も楽しめる。今回の試乗では、おとな二人と若干の撮影機材を積んでの走行だったが、乗り味的には、もう少し荷重がかかったほうが落ち着くのかな、といった感じ。それでも路面の継ぎ目で突き上げられるようなこともなく、ACCをセットしておけば、けっこう快適だ。
52psと60Nmを発生するVVT付きエンジンはアイドリングストップ機能も備え、軽商用車としてはNo.1の燃費を誇る。
モバイルオフィスにも最適。疲れたら「車中昼寝」がおすすめ
特徴的なリアクオーターパネルは、斜め後方視界の妨げにはほとんどならない。動線を考慮して右スライドドアのみ電動開閉となる。
スペーシアBASEは、平日は仕事に、休日は遊びにという使われ方が多くなるだろう。おとな二人に仕事や趣味の荷物を多く積んで高速を走る機会が多い、という人には、少しパワー不足は感じられるかもしれない。市街地走行が中心で、たまに片道100kmくらいの高速ドライブだったら、問題なくこなしてくれるだろう。
今回、約470kmを走行して、そのうち7割くらいが高速道路。平均燃費計の数値は21.4km／Lを表示した。WLTCモード燃費の数値が21.2km／Lだから、高速走行が多かったとはいえカタログ値よりも良い燃費を達成したのはなかなかの優れもの。もちろんエアコンは入れっぱなしだし、とくにエコランもしていない。市街地走行では、けっこう頻繁にアイドリングストップ機能が働いていたが。
スペーシアBASEは、仕事や遊びのための「ベース（基地）」となるのに十分なアイテムを備えたクルマだが、それ以前にクルマとしてもけっこう楽しむことができた。おとな二人までしか乗らない、仕事にも遊びにも活用できる「相棒」のようなクルマが欲しいというなら、スペーシアBASEは格好の1台かもしれない。
在宅勤務が増えているけれど自宅のスペースは狭いし・・・なんて悩んでいるなら、このスペーシアBASEをモバイルオフィスにして、ここで仕事をするなんてのも悪くないかも。仕事に疲れたら車中泊もできるし、気分転換に移動するのも簡単だ。こんな使い方をしているスペーシアBASEが、そのうちにあちこちで見かけられるかもしれない？（写真：Webモーターマガジン編集部）
■スペーシア BASE XF 主要諸元
●全長×全幅×全高：3395×1475×1800mm
●ホイールベース：2460mm
●車両重量：870kg
●エンジン：直3 DOHC
●総排気量：658cc
●最高出力：38kW（52ps）／6500rpm
●最大トルク：60Nm（6.1kgm）／4000rpm
●トランスミッション：CVT
●駆動方式：横置きFF
●燃料・タンク容量：レギュラー ・27L
●WLTCモード燃費：21.2km／L
●タイヤサイズ：155／65R14
●車両価格（税込）：154万7000円
