スバルらしい操安性の高さを感じさせる走り
スバルとトヨタの合同チームにより開発された両ブランド初の量販BEVで、トヨタ版bZ4Xはサブスクリプションのリース販売のみだが、スバル版のソルテラは全国のディーラーで一般販売されている。
スバルの強いこだわりにより、最低地上高を210mmとして走破性を確保しながらも、前面投影面積を小さくするため全高を1650mmと低めに抑えているのが特徴。床下にはバッテリーを搭載しているが、ヘッドクリアランスにも配慮しつつ、「全席等価値」を掲げるBEV専用のプラットフォームによる全長のわりに長い2850mmのホイールベースを活かし、1mもの前後席間距離を実現している。
先進的かつ斬新なコクピットは、ステアリングホイールの奥にメーターを配したことで視線移動も小さく、高さを抑えたダッシュボードにより見晴らしがよい。
ファブリック生地のダッシュボードにフードレスのメーターディスプレイ、フロアコンソール下部の吹き抜けが特徴的。
FWDモデルはフロントに150kW、4WDモデルは前後に各80kWのモーターを搭載し、リチウムイオンバッテリーの容量はともに71.4kWhとなる。0→100km／h加速タイムは7.7秒（4WD）と8.4秒（FWD）という。
走りの仕上がりは、スバルらしい操縦安定性の高さが感じられる。中でも横滑り防止装置の秀逸な完成度には感心させられた。とくに4WDは緻密な駆動力とブレーキの制御により、4輪のグリップ力を最大限に引き出すことができている。
スバルらしく、滑りやすい路面でも一定速度で安定して走行できる「X-MODE」も装備するほか、アクセルペダルをゆるめると減速度が増してなめらかに減速させる回生ブースト機能を採用するが、ソルテラのみパドルシフトで回生の強さが任意に選べるようにされている。またダンパーや電動パ
ワステの味付けもbZ4Xとは微妙に異なる。
さらに、ソルテラにはリアシートヒーターの設定があり、フロントシートヒーターの面積が広くされているなど一部の装備が内装色の選択肢なども差別化されている。
前後のフェンダーデザインやボディラインなど力強さを感じるSUVスタイル。最低地上高も210mmを確保している。
スバル SOLTERRA ET-HS 主要諸元
全長×全幅×全高：4690×1860×1650mm
ホイールベース：2850mm
車両重量：2030kg
パワートレーン：2モーター（フロント＋リア）
最高出力：80kW（フロント）／80kW（リア）
最大トルク：169Nm（フロント）／169Nm（リア）
最小回転半径：5.6m
駆動方式：4WD
一充電走行距離：487km（WLTCモード）
総電力量：71.4kWh
タイヤサイズ：235／50R20
車両価格：682万円
