「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、アストンマーティン シグネットだ。

メカニズムはiQから何も変わっていないのだが・・・

画像: インパネの基本デザインはiQと同じなのだが、DB9と同量の本革を使ったインテリアは豪華そのもの。

インパネの基本デザインはiQと同じなのだが、DB9と同量の本革を使ったインテリアは豪華そのもの。

そんなシグネットの内外装に圧倒されながらも、まずはスタートボタンをプッシュしてイグニッションをONにし、元気な1.3Lエンジンを駆って迷路のような香港の街を走り出す。東京よりも間隔の狭いストップ&ゴーに、突発的なカーブやオーバーパス、路面電車の通過待ちとめまぐるしい。

だが、トレッドが広くてガッシリとした接地感はiQと変わらない。しかも、シグネットならではと感じられたのが、硬めではあるが低速でも不快ではない乗り心地や、妙に落ち着きのある剛性感だ。

ステアリングのフィールにもガサツな印象はなく、タイトコーナーではやや重く感じるほどの安定感がある。それに、車内に伝わる雑音は微かなロードノイズのみで、エンジンサウンドが勇ましい音となるのが心地いい。サスペンションのチューニングを含めて、メカニズムは何も変えていないという説明があったが、よくよく聞けば防振・防音対策は独自にやり直しているという。

それゆえ、車両重量もiQより35kgほどアップしているのだが、そこが乗り味にも影響しているようだ。さすがはアストンマーティンの一員として立派な出来映えだと実感させてくれた。

画像: リアまわりも、コンビネーションランプやバンパーなど、デザインはかなり変更されている。

リアまわりも、コンビネーションランプやバンパーなど、デザインはかなり変更されている。

アストンマーティン シグネット(日本仕様) 主要諸元

●全長×全幅×全高:3078×1680×1500mm
●ホイールベース:2000mm
●車両重量:990kg
●エンジン:直4 DOHC
●総排気量:1329cc
●最高出力:72kW(97ps)/6000rpm
●最大トルク:125Nm(12.7kgm)/4400rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:プレミアム・32L
●JC08モード燃費:未発表
●タイヤサイズ:175/60R16
●当時の車両価格(税込):475万円

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