2022年10月に発表されたホンダ フィットのビッグマイナーチェンジで、スポーツグレード「RS」の復活がなされた。今回はハイブリッド仕様の「フィット e:HEV RS」に試乗できたのでその印象をお伝えしよう。

スペック上の最高出力や最大トルクは同じ。でもパワー制御や足まわりが違う

さて、注目の「RS」の外観を見てみるとフロントグリル、前後バンパー、サイドシルガーニッシュ、アルミホイール、リアスポイラー、エキゾーストフィニッシャーなどが専用とされていて、より精悍なルックスを見せている。

画像1: スペック上の最高出力や最大トルクは同じ。でもパワー制御や足まわりが違う

インテリアはグレーを基調にイエローステッチがアクセントにあしらわれている。滑らかで上質な肌触りのウルトラスエードを採用し、通気性に優れるパーフォレーションタイプとしたフロントシートの着座感も良好だ。

走りについても外観と同様、他のモデルとわかりやすく差別化されている。e:HEVのドライブモードはノーマルとECONに加えて、RSのみ「スポーツモード」が設定されており、それぞれにアクセルペダル操作に対する駆動力のレスポンスや加速の伸びが、専用サスペンションにベストマッチするよう独自のセッティングをなされている。

スポーツモードではエンジン回転数の上昇速度がさらに高まり、より小気味よく走れる。駆動力を生み出すのは基本的にモーターのみだが、エンジンサウンドと同期した気持ちのよい加速を味わうことができる。

また、「RS」にはステアリングホイールに4段階で回生ブレーキによる減速度を任意に調整できるパドルが設けられているのも特徴だ。

画像2: スペック上の最高出力や最大トルクは同じ。でもパワー制御や足まわりが違う

気になる足まわりの仕上がりも、なかなか絶妙だ。文字どおり「意のまま」のハンドリングを実現していて、操舵したとおり応答遅れなくターンインし、まさしくオン・ザ・レール感覚で狙ったラインをトレースしていける。

コーナリング時の姿勢も整っていて、ロールも適度に抑えられている。今回は公道を使っての試乗だったので試せなかったが、限界性能もそれなりに高そうな雰囲気だった。

これだけ走りがよければ乗り心地が多少は犠牲になっていてもおかしくないのに、そんなこともない。荒れた路面でもフラット感があり、目線のブレが小さいことも印象的だった。これなら高速道路をロングドライブするような状況でも疲れ知らずで、同乗者も車酔いしにくいことが期待できる。

ほどよくスポーティで完成度も極めて高く、第一印象は上々だった。であればなおのこと、MTの存在がどうなるのか気になるところだったが、実は11月に入ってからホンダの公式HPにガソリン仕様フィット RSの車両価格やスペックも公表されていた。

これによると1.5Lガソリンエンジンを搭載したフィットRSにMT仕様は存在しないことになる。e:HEVとの価格差は約39万円の195万9100円に設定されている。また、およそ100kgの重量差がどれだけ走りに影響するのか、こちらも気になる存在だ。(文:岡本幸一郎/写真:井上雅行)

ホンダ フィット e:HEV RS 主要諸元

●全長×全幅×全高:4080×1695×1540mm
●ホイールベース:2530mm
●車両重量:1210kg
●パワートレーン:直4 DOHC+モーター
●総排気量:1496cc
●最高出力:78kW(106ps)/6000-6400rpm
●最大トルク:127Nm/4500-5000rpm
●モーター最高出力:90kW(123ps)/3500-8000rpm
●モーター最大トルク:253Nm/0-3000rpm
●トランスミッション:電気式無段変速機
●駆動方式:FF
●燃料・タンク容量:レギュラー・40L
●WLTCモード燃費:27.2km/L
●タイヤサイズ:185/55R16
●車両価格(税込):234万6300円

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