2009年7月、シボレー カマロが7年ぶりに復活して登場した。紆余曲折を乗り越えて登場した5代目は、環境性能など時代の要請に応えるべく最新技術を採用しながら、初代からの伝統的な要素を色濃く受け継いだモデルとして迎えられた。ここでは上陸後早々に行われた試乗テストの模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2010年2月号より)

モダナイズされたアメリカンな走行感覚

走らせてみても実にいい。20インチタイヤを難なく履きこなして、クルマがスムーズに転がっていく。乗り心地も快適。そこに古くささはなく、現代の水準に照らし合わせてもモダナイズされたアメリカのクルマだからこその走行感覚に溢れている。走れたのは都市高速道路と市街地だけだったが、街中を流しているだけでも乗っていることそのものが楽しい。

また注目度の高さにも驚かされた。昼休みの時間帯だったせいもあるが、信号待ちをしていると、横断歩道を渡る大勢の人たちの半分くらいがこちらに目を向ける。ご年輩の方から中学生ぐらいの少年少女たちまでが、まじまじと見ていくのだ。

画像: MグローバルRWD(後輪駆動)のプラットフォームを採用。デザインは北米本社、開発と設計はFRモデルに長けたオーストラリアのホールデンと北米本社の共同で開発された。

MグローバルRWD(後輪駆動)のプラットフォームを採用。デザインは北米本社、開発と設計はFRモデルに長けたオーストラリアのホールデンと北米本社の共同で開発された。

4灯式の赤いテールランプは、新鮮な印象だ。北米市場ではリアウインカーが赤色でも問題ないのだが、現在の日本でそれは認められていない。またドアミラーは可倒式でなければならない。日本への導入にあたってはその対策を施すことが必要だった。

北米市場ですでに引く手あまたで大人気の新型カマロに、日本市場専用の特別装備を施してデリバリーしてもらうには、通常だと時間が必要となる。しかしGM・アジアパシフィック・ジャパンからの強いリクエストに対して、ホールデンが速やかに尽力してくれたという。リアバンパー下部には、スマートなオレンジ色のウインカーユニットが装備され、そしてドアミラーは欧州市場向けのモデルに採用予定だったという可倒式タイプが先行して採用された。

ハンドルにパドルシフトも備える6速ATとの組み合わせで、 車重1710kgのボディに3.6Lエンジンの組み合わせは十分なパフォーマンスを味わわせてくれる。アクセルペダルを踏み込めば力強く「グン」と加速してくれるし、ブレーキの感触も自然でいい。ゆったりと流しているだけでも自分の中で満足感が涌いてくるのがわかる。こんな感覚を味わえるクルマは久しぶりだった。(Motor Magazine編集部 香高和仁/写真:永元秀和)

シボレー カマロ LT RS主要諸元

●全長×全幅×全高:4840×1915×1380mm
●ホイールベース:2855mm
●車両重量:1710kg
●エンジン:V6DOHC
●排気量:3562cc
●最高出力:227kW(308ps)/6400rpm
●最大トルク:370Nm(37.7kgm)/5200rpm
●トランスミッション:6速AT
●駆動方式:FR
●車両価格:430万円(2009年当時)

This article is a sponsored article by
''.