2009年7月、シボレー カマロが7年ぶりに復活して登場した。紆余曲折を乗り越えて登場した5代目は、環境性能など時代の要請に応えるべく最新技術を採用しながら、初代からの伝統的な要素を色濃く受け継いだモデルとして迎えられた。ここでは上陸後早々に行われた試乗テストの模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2010年2月号より)

初代モデルが備えていた鮮烈なイメージをまとってデビュー

そもそも「カマロ」(正しくはシボレー カマロだが・・・)は、フォードが1964年にデビューさせて大ヒット作となったマスタングへの対抗馬として、GM(ゼネラルモーターズ)が1967年にシボレーから登場させたモデル。

この初代カマロはその斬新なデザイン、多種類のパワープラント戦略、レースでの活躍を背景とするスポーツイメージでマスタングの牙城に迫り、その後、アメリカを代表するスポーティモデルに成長した。今回7年ぶりの登場となる5代目カマロは、その初代モデルが備えていた鮮烈なデザインイメージを内外に活かしてのデビューだ。

日本仕様に用意されたのは2モデル。最高出力308ps/最大トルク37.7kgmを発揮するレギュラーガソリン仕様の3.6L直噴V6エンジン搭載の「LT RS」と、同405ps /56.7kgmを誇るプレミアムガソリン仕様の6.2L直噴V8エンジン搭載の「SS RS」。ともに左ハンドル仕様で、トランスミッションは6速ATのみ。そのプライスはLT RSが430万円、SS RSが535万円だ。

試乗したのはLT RS。その外観を見ればわかるように、ボディのウエストラインに対してルーフの位置がまるでチョップドトップかと思えるほどに低く、ガラスエリアの小ささが強調されている。運転席に座ってみると閉所感はなく、落ち着きがある。

画像: 速度計と回転計を備えた四角いメータークラスターが特徴。シートはしっかりと身体をサポートしながら座面はふんわりとしていてアメリカン気分が味わえる。

速度計と回転計を備えた四角いメータークラスターが特徴。シートはしっかりと身体をサポートしながら座面はふんわりとしていてアメリカン気分が味わえる。

キーをひねり、エンジンを始動させて驚いた。乾いた感じの、何とも小気味良いサウンドが聞こえてくる。ドドドドドといった響くような音ではなく、ちょっと金属的で中高音域を意識したモダンな気持ち良い音。走り出しても同様で、こんなに気持ちいいV6エンジンのサウンドを聞くのは初めての体験だ。

インパネやメーター類は、初代のモチーフが徹底的に生かされたデザインで、思わずニヤリとする。これぐらいのこだわりが表現されていないと、見た目だけのノスタルジックモデルとして薄っぺらい印象で終わる。カマロのDNAを理解している造り手の熱意が伝わってくる。

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