ダイハツ タントの新たなバリエーションとして登場した「タント ファンクロス」。クロスオーバーテイストのスーパーハイトワゴンは走りも使い勝手も十分な1台で、軽スーパーハイトワゴンの新たな可能性を感じさせてくれた。

ハイウエイクルージングは静かで快適

画像: 他のタントと同様のセンターメーターを採用。9インチのスマートフォン連携ディスプレイオーディオはオプション。

他のタントと同様のセンターメーターを採用。9インチのスマートフォン連携ディスプレイオーディオはオプション。

高速クルージングでのエンジン回転数は、80km/hで約2000rpm、100km/hで約2500rpm。静粛性はけっこう高い。加速時もCVTによくあるラバーバンドフィーリング(エンジン回転数が上がってもすぐに車速が伸びない現象)は少なく、ターボのおかげでスムーズに車速を伸ばしていく。急な上り坂などでは、ステアリングホイールの「パワー」スイッチを押せば効果的だ。

1800mm近い車高にボディサイドはフラットだから、横風の強い高速道路などは直進性が気になるが、怖さを感じるレベルではない。また、コーナリングを楽しむようなクルマではないけれど、DNGAによるボディはしっかりしており、乗り心地も良い。

だが、ファンクロスは「アウトドア系」とはいっても、内外装にアウトドアテイストを加味しているだけで、4WDこそラインナップしているものの最低地上高はカスタムと同じだし、ラフロードでの走破性を高めたモデルではない。そんな走りを楽しみたい人は、ダイハツならタフトをチョイスしたほうがいい。

軽スーパーハイトワゴンは、アウトドア系が主流になるか?

画像: 前後のドアにピラーを内蔵し、スイングドアは90度近く開く、大開口で使い勝手の高いミラクルオープンドアも採用。

前後のドアにピラーを内蔵し、スイングドアは90度近く開く、大開口で使い勝手の高いミラクルオープンドアも採用。

インテリアでは、カモフラージュ柄のシートが思った以上にサポートが良く、長時間ドライブでも身体が痛くならなかったのが好印象。オレンジ色のアクセントや本革巻きのステアリングホイール&シフトノブもいい感じだ。助手席側のミラクルオープンドアや豊富な収納スペース、操作性が向上したシートのアレンジや取り外し可能なデッキボードなど、使い勝手の高さは他のタントと同様だ。

リアシートにも乗ってみたけれど、乗り心地も悪くないし、ヘッド&フットスペースは十分すぎるほど。ただし、これは他のタントでも同様だが、リアシートをいちばん後ろに下げるとスピーカーの位置がパッセンジャーのすぐ脇となるので、ドライバーはオーディオの音量に注意してあげたい。

安全装備のスマートアシストはもちろん標準装備だが、ACCはパッケージオプションとなる。高速道路を使う機会が多いなら、装着を勧めたい。街中使用が中心なら、ノンターボでも走りに不満はないだろう。

タントは、そのCMなどのイメージからファミリーユースが中心に思われるが、このファンクロスは幅広い年齢層に似合いそうだ。2人以下なら趣味のギアを多く積み込んで出かけるのもいいし、もちろん家族での買い物や旅行にも最適。平日は仕事の足にだって使える。

タントのマイナーチェンジとともに登場した、このファンクロスの人気は上々のようだ。三菱も2023年にはデリカミニの発売を予定しているし、アウトドア系の軽スーパーハイトワゴンは、第3のバリエーションとして増殖していくことは間違いなさそうだ。(写真:Webモーターマガジン編集部)

画像: 最低地上高はカスタムなどと同じだから、ラフロードでの走破性などは高められていないので注意したい。

最低地上高はカスタムなどと同じだから、ラフロードでの走破性などは高められていないので注意したい。

タント ファンクロス ターボ 主要諸元

●全長×全幅×全高:3395×1475×1785mm
●ホイールベース:2460mm
●車両重量:940kg
●エンジン:直3 DOHCターボ
●総排気量:658cc
●最高出力:47kW(64ps)/6400rpm
●最大トルク:100Nm(10.2kgm)/3600rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:レギュラー・30L
●WLTCモード燃費:20.6km/L
●タイヤサイズ:165/55R15
●車両価格(税込):180万9500円

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