タイプR系列のハイスペックなパワートレーンを搭載か
ホンダブランドとは異なる立ち位置にある「アキュラ」は、より表現力に富んだスタイリングや、先進的かつ精密な技術革新をもとにさらに高められたパフォーマンスを提供している。そのラインナップには、RDXやMDXなどのスポーツユーティリティビークルや、スポーツセダンのTLXが含まれる。
今回、タイプSプロトの画像が公開されたインテグラは、クーペライクなスタイルを持つ5ドアファストバック。カテゴリー的にはプレミアムコンパクトセダンに位置する。「スタンダード」な従来版に搭載されていたのは、最高出力200ps、最大トルク260Nmを発生する1.5L直4VTECターボだった。
それに対して新しいタイプSには、2L 直4VTECターボを採用。詳細なスペックは明らかにされていないが、仮にホンダ シビック タイプRと同じK20C系列のユニットを選んでいるとすれば、「S」として多少の性能調整が入ったとしても、最高出力は100ps以上スタンダードグレードにプラスされ、最大トルクはほぼ倍増の400Nmを超えることが十分予測できる。
加えて、6速マニュアルトランスミッションとリミテッドスリップデファレンシャルを標準装備することから、やはりタイプRに準じる痛快無比な走りが期待できそうだ。
2024年デビューのフル電動ラグジュアリーSUVにもタイプSを設定
これみよがしな巨大リアスポイラーこそ装着されていないものの、思い切りよく開口部を刻んだフロントバンパーをはじめとするワイド&ローなフォルムは一見して只者ではないことを印象づける。画像が公開されたテスト車両には擬装が施されていることから確定的ではないけれど、前後フェンダーにもブリスター風のアレンジが施されているように見える。
なにより強烈なのが、ディフューザー形状のリアバンパーとセンター部分に配された大口径の3連エキゾーストだろう。フォルム全体のエッジ感をさりげなく強めている。リアハッチ部の小ぶりなスポイラーなど、新型インテグラ タイプSはその後ろ姿でもそうとう強烈な「特別感」をアピールすることになりそうだ。
北米市場での正式発表は2023年夏を予定、日本への導入は残念ながらおそらくないだろう。アキュララインナップといえば、パフォーマンスの頂点に立っていたNSXが2022年12月をもって生産を終えることも残念無念ではある。
もっとも、そのアスリートとしてのピュアスピリットはしっかり「タイプS」シリーズに受け継がれているようで、ひと安心できそう。2024年にデビューするフルバッテリーEVのラグジュアリーSUV「ZDX(ズィーディーエックス)」にも「タイプS」がラインナップされるというから楽しみだ。