総合サプライヤーとしてのBoschは自動車に搭載されるハードだけでなく、それを適切に使い続け安心を担保するためのソフト=サービス=アフターマーケット事業についても、変わりゆく将来に向けて「備え」を始めている。3年ぶりに開催された「BCS(ボッシュカーサービス)全国会議」に参加することで、Boschが描く自動車整備事業に関する未来図の一端を、垣間見ることができた。

「従事者」の減少傾向を抑えるためにはデジタライゼーションが必須か

実は日本に限らず世界的にも、自動車整備事業に携わる経験豊富なエンジニア、テクニシャンの人口は減少傾向にある。だがBoschは自動車のIoT化に対応したサービス体制のデジタライゼーションが、その流れを変えると考えている。

画像: 「投資すべき時が来た」といったニュアンスだろうか。デジタライゼーションを進めるために、全面的なバックアップを約束した。(壇上右が、セールスワークシップコンセプトグループ アジアパシフィック ゼネラル・マネージャー エンギン・ビュユックバルバック氏 )

「投資すべき時が来た」といったニュアンスだろうか。デジタライゼーションを進めるために、全面的なバックアップを約束した。(壇上右が、セールスワークシップコンセプトグループ アジアパシフィック ゼネラル・マネージャー エンギン・ビュユックバルバック氏 )

プレゼンの中で提示された世界規模での整備工場ネットワークの展望では、全世界で2021年の1万2285店舗が2028年までに1万6150拠点まで増えると予測されていた。日本に至っては201→400店舗と、倍増を計画している。

その数値の実現性云々については、実際のところ予見することは難しい。けれど、ボッシュオートモーティブアフターマーケット事業部が今後、その実現に向けて計画している投資などの姿勢を見ていると、「自動車整備事業」というビジネスカテゴリーがなんだかとっても面白いことになりそうだ、と思えてくるから不思議だ。

繰り返しになるがこと自動車整備事業という視点で言うなら、BCSほど巧みに世界にネットワークを広げているブランドはほかにはない。その強みは、自動車ディーラーのメンテナンスネットワークとも根本的に違うレベルにあるような気がする。

しかし一方で、エリアごとの市場特性にも考慮しながらサポートを行うことを忘れてはいないことも、BCSの事業が興味深いところだ。日本のBCSもまた、この国ならではの強みを生かしている。

それはたとえば「職人気質」と「最新のテクノロジー」そして「最新のノウハウ」の融合、と言ってもいいかもしれない。それぞれに個性的な得意技を持ち、一方でBCSのようなグローバルスタンダードでのスキル習得にも熱心に取り組むといった生来の勤勉性は、日本人が連綿と受け継いできたDNAそのものに他ならない。

その強みを、DX化によってよりわかりやすく効率的に活用することができれば、これまでにない自動車整備事業のスタイルを生み出すことができるかもしれない。これに続く全国会議でのさまざまなプレゼンではさらに、DX化に向けたBCSの未来戦略がよりわかりやすく、浮き彫りにされていくことになる。(後編に続く)

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