リーフのトップグレードは100万円以上も値上げ!
2022年5月に発売され、後述の三菱 eKクロス EVとともに2022-2023 日本カー・オブ・ザ・イヤーのグランプリを受賞した日産の軽自動車EV、サクラ。車両価格はこれまでの239万9100円〜294万300円から、249万3700円〜304万400円へと値上がりした。値上げ幅は、およそ10万円〜16万円だ。
また、日産の主力EVであるリーフは、車両価格はこれまでの370万9200円〜480万5900円から、408万1000円〜583万4400円(オーテック除く)へと値上がりした。値上げ幅は、およそ37万円から103万円だ。
三菱も、サクラの姉妹車である軽自動車EV、eKクロス EVの車両価格をこれまでの239万8000円〜293万2600円から、254万6500円〜308万1100円へ値上げした。値上げ幅は、一律で14万8500円。クロスオーバーPHEVのアウトランダーも、車両価格をこれまでの462万1100円〜548万5700円から、484万1100円から535万9200円へと値上げした。値上げ幅は、一律で22万円。
EVは蓄電池のコストが車体原価の3分の1を占める
いずれの車種も、内外装やパワートレーンのスペックなどに変更はない。値上げの理由は、日産では「世界的な原材料費や物流費などの高騰を鑑み」、三菱では「バッテリー材料をはじめとする原材料価格、並びに輸送費などを含む全般的なコスト上昇に伴うもの」としている。
とくにEVやPHEVのような電動車は、充電用に大容量のリチウムイオンバッテリーを搭載している。昨今、この原料となるリチウムやコバルトが高騰しており、充電用バッテリーが車体原価の3分の1を占めると言われている電動車では、生産の効率化などの企業努力は続けてきたものの、値上げは避けられない状況となったということだろう。
この流れは、EVやPHEVを製造しているほかのメーカーにも波及するはず。また、さまざまな原材料費や物流費が高騰している以上、電動車でないクルマの車両価格値上げも必至となっていくだろう。実際、ここのところ一部改良が発表されたモデルは、いずれも「一部の改良」レベルでありながら、車両価格は引き上げられているものが多い。
いまや、世の中のありとあらゆるものが値上げされている状況。しかも、クルマの場合は新車を購入しようとすると納車までかなりの時間を要したり、受注を停止しているモデルもある。欲しいクルマは高く、なかなか手に入らないという状況は、少しでも早く改善してもらいたいものだ。
なお、日産では注文受け付けを一時停止していたリーフ(オーテック含む)とサクラの注文受け付けを再開した。